人材:「グローバルを見渡したDX人材の見える化と発掘」
これまでも海外拠点での人材育成・獲得に関しては、十分な統制・サポートが提供されていないという課題は認識されてきたが、DX対応の重要性増大を背景にDX人材をグローバルレベルで発掘していく必要性が高まっている。
ナレッジ:「DX知見の共有・展開の拠点整備、グローバルでのシェア」
これまでもグローバルでの知見を収集する必要性は認識されており、長期の視点から研究機能を設けることはあったが、新しいデジタル知見を活用した新規事業創造を推進するために、より事業開発に近い機能の設置、そこからの社内展開が重要性を増している。
ガバナンス:「DX施策スケール化の仕組み構築」
従来から海外拠点を含めたグローバルでの事業アイディアを収集し次の事業展開に役立てる取り組みの重要性は認識されてきたが、グローバルで同時多発的に発生する新しいデジタル活用について、スケール化のサポートなどの仕組みの整備が急務となっている。
ビジョン:「意識改革と合わせてのDXビジョン浸透推進」
企業理念の浸透も従来からの課題であるが、それに加えて、企業のビジネスモデル変革に向けたDXビジョンの必要性や従業員からの興味の高まりを背景に、その共有・浸透が課題としてクローズアップされることになるだろう。
本コラムでは、課題の切り口とその例を示した。先述のように、今後は、グローバルからアセットの獲得・増大へのマネジメントニーズが増すと想定される。
コロナ禍で一旦中断しているグローバル化に伴う課題には、さらにDXの要素が加わることで、その複雑性も増していくだろう。だからこそ、ポストコロナでの再始動に際して、改めて課題を点検することが重要となるのではないだろうか。