COVID-19の影響でオンライン化が急速に進み、事業活動を行ううえで様々な不可逆な変化が発生する中、自社の存在意義の再定義を迫られている企業は少なくない。これらを背景として、パーパス経営を意識した取り組みを行う企業が多くなっている。
パーパスとは「自分たちの存在意義」を指す。パーパス経営では、業界内の競争力強化だけではなく、自社の固有の社会的価値を定義し、社会における新たなポジションの確立を目指していく。
まず、自社のパーパスを定義するには、「過去を振り返り自社の原点に立ち戻るアプローチ」と「将来を見据えて自社の果たすべき役割を構想するアプローチ」の2つがある。これまで積み上げてきた自社の歴史の中で、社会に果たしてきた役割を振り返りながら、直近始まった大きな環境変化での新しい存在意義をパーパスとして定義することになる。
DXのあり方自体も、このパーパス経営の概念に基づいて考えることで、視点が変化する。以下の図のように、これまでの「テクノロジー起点・生産性向上」という視点から、「新たな社会価値創造によるパーパスの実現に向けた取り組み」へと進化を遂げるだろう。