DX組織に期待される項目として、ビジネスのデジタル化に対応するために、人材の育成・獲得が挙げられるケースは多い。既に社会的な課題としても認識されているDX人材の不足を解決するために、いかに自社に必要なリソースを育成・獲得していくかは、もはや経営課題といっても過言ではないだろう。
DX人材の育成・獲得に対する期待に応えるためには、DX組織の機能として、全社最適の視点からDX人材ポートフォリオマネジメントの仕組みを整備していくことが重要である。管理する仕組み自体は存在している企業も少なくないが、実態的には機能していないケースが多い。例えば、DX組織を設立しソフトウェアエンジニア、デジタル技術者などを所属させているが、実際にアサインされる案件は特定事業部門のプロジェクトに限定され、閑散期においてもクライアントとのリレーションなどに過度に配慮する結果、全体として非効率な配置に陥っている状況も多い。また、個別最適なアサインが優先されることによって、中長期的な視点からのあるべきDX人材ポートフォリオ形成や管理が実現できないリスクも出てくる。このような事情からDX組織に対して、全社最適な視点からのリソースマネジメントが求められている。
DX人材ポートフォリオマネジメントは、以下のように、「DX戦略に基づくDX人材ポートフォリオ定義」「DX人材育成とアサインメントの最適化」「即効性のあるDXリソース体制構築」の3つのパートに分けて考えていく。