企業価値向上のメカニズムを構造的に捉え、事業の成長ストーリーを描き、ビジョンを実現する企業変革
【イベントレポート】企業価値向上を実現するグローバル経営管理の要諦
企業価値向上のメカニズムを構造的に捉え、事業の成長ストーリーを描き、ビジョンを実現する企業変革
企業のビジョンや経営目標をスローガンとして掲げるだけでなく、ステークホルダーと共通の目標として共感・共鳴し、関わり合いながら「共創」していく舵取りが求められています。
このような共創型の経営姿勢は、企業が持続的な成長を遂げ、価値創造を実現するための基盤となります。そのためには、足元の「稼ぐ力」を高め実績を出しながら将来の「成長期待」を醸成し、企業価値全体を高めることが重要です。
こうした価値創造を実現するためには、財務資本・非財務資本を表裏一体として捉え、戦略的な資本投下と成果測定を繰り返す企業運営が必要です。
グローバル競争力強化に欠かせない、企業価値の向上
日本企業においては、長年にわたりPBR(株価純資産倍率)1倍割れが課題とされており、資本効率や収益性の向上が強く求められてきました。しかしながら、企業価値向上に向けた明確な道筋は、依然として見えにくいのが現状です。
一方で、米国のS&P500や欧州のBE500に属する多くの企業は、PBR2倍超を達成しており、グローバル競争の中で日本企業の立ち遅れが顕在化しています。
こうした状況を踏まえると、企業が持続的に価値を高めていくためには、短期的な財務指標の改善にとどまらず、非財務情報の可視化や中期経営計画の着実な実行を通じて、「稼ぐ力」の強化を図る経営改革が不可欠です。
メリハリの利いた投資戦略
ROICなどで事業を横並び評価しながら、未来の”あるべき”事業ポートフォリオを描くことが最初の一歩出発点です。あわせてこの際に、自社目線での現時点の成長性や利益率だけでなく、外部環境にも目を向け、各事業の社会的意義を理解し将来の成長機会を捉える視点が不可欠です。
描いた将来像を実現するには、経営資源の再配分が重要な論点の一つになります。事業軸、顧客軸、地域軸といった複数の切り口から経営の舵取りを行うとともに、それを支える高度な企業運営を可能にするガバナンスモデルの導入が必要です。
これらの改革を着実に進めるには、投資余力を創出し、新たな成長の芽や競争力獲得に向けてメリハリの利いた集中投資を行う経営判断が求められます。
競争力と収益力のマネジメント
ROICを各事業部門のKPIに展開し、現場レベルでの改善を促す「逆ROICツリー」や、価値創造の仕組みを可視化する戦略マップの活用は、企業価値向上に向けた有効な手段です。これにより、アウトプットである企業価値、競争力の源泉となり価値創造を支えるドライバー、自社のケイパビリティ(人的資本・知的財産など)を体系的に関連付け、継続的な競争力強化を実現する経営基盤を構築することが可能となります。
その競争力の源泉として、人財、知財といった非財務価値の再認識と、その価値を向上させる仕組みが必要です。
具体的には、非財務資本投下の企業価値(PBR)への寄与や価値連鎖を生む要素と強弱の検証、資本投下による社会価値の測定、将来財務影響の推定などを通して企業活動の妥当性を「根拠」を持って説明できることが必要です。
さらに、企業や事業の価値向上や投資余力の創出に向けては、資本効率の向上を図るバリューアップの取り組みが不可欠です。
ステークホルダーの共感
投資家とのコミュニケーションの重要性が高まっていることは言うまでもありません。企業経営のパートナーとして長期的な関係を築くためには、事業構造の変革を含めた企業価値向上のストーリーを分かりやすく発信することが求められます。
加えて、企業活動の成果として、取引先・顧客・最終消費者、さらには社会全体に与えるインパクトを定量的に計測・発信することで、企業の取り組みに対する説得力を高めることが可能です。
このような情報発信を支えるためには、マテリアリティの設定や、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)などの新たな枠組みに対応したサステナビリティ経営への取り組みが不可欠です。
また、社内における従業員とのコミュニケーションの重要性も高まっています。人財の多様性や流動性が高まるなか、一方的に期待をかけるのではなく、企業として目指す姿をパーパスやビジョンで明示し、従業員の成長や働きがいに貢献することを約束・実行することで、エンゲージメントの向上につなげることが重要です。
こうした社外・社内双方への誠実なコミュニケーションと取り組みの積み重ねが、企業価値の持続的な向上に寄与します。
アビームコンサルティングは、① メリハリ投資、② 競争力と収益力のマネジメント、③ ステークホルダー共感の3つの軸を通じて、企業価値向上に向けた経営基盤の構築と持続的成長を支援します。
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