環境変化が激しい昨今、日本企業には企業価値向上に向けた変革が求められ、「稼ぐ力の創出」や「成長期待の醸成」が重要な経営アジェンダとなっている。加えて、企業の資本効率や事業の収益性を表す「ROIC」を経営指標や事業別の資本収益性指標として活用し開示する企業が増えており、ROIC経営に注目が集まっている。東京証券取引所が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」という通知文を企業に提示したことも、企業が経営のあり方を考える大きなきっかけとなっている。
アビームコンサルティングでは、「日本企業の価値向上」をテーマに、当社エグゼクティブアドバイザーであり、非財務資本と企業価値とを結ぶ「柳モデル」を確立した早稲田大学大学院会計研究科 客員教授の柳 良平氏と、同エグゼクティブアドバイザーで「逆ROICツリー展開」による現場レベルでのROIC向上支援を推進する日本CFO協会理事の日戸 興史氏によるセミナー「企業価値向上のドライバーを探す~稼ぐ力と成長期待をいかに押し上げるか~」を開催した。企業の稼ぐ力を示すROICの向上や企業価値を本質的に高めるために必要な取り組みや推進方法について、柳氏、日戸氏に加え、アビームコンサルティング 企業価値向上戦略ユニット長 斎藤 岳を交えて行われたパネルディスカッションの内容をもとに解説する。
(本稿は2024年9月24日開催セミナー「企業価値向上のドライバーを探す~稼ぐ力と成長期待をいかに押し上げるか~」をもとに再構成しています)