第3回では、マテリアリティを報告のための概念から経営判断を動かす起点へと捉え直した。第4回では、その判断を実際に回し続けるために、IT・業務・内部統制をどう再設計するかを取り上げる。
サステナビリティ情報が「開示のために集められた断片的な情報」のままとなっている限り、サステナビリティに関する経営判断や投資効果に関連して、将来の企業価値に資する情報として資本市場に提供することは難しい。対外的に説明できない経営判断や投資効果は、投資家やその他のステークホルダーから見て予見可能性が低く、事後的な検証も戦略の修正も効きにくい。結果として、法的な説明責任だけが経営側に残り、現場の作業負荷だけが増える。
ここで問われているのは、単に情報を集めることではない。経営層が、どの判断を、どの前提で引き受けるのかを、説明可能な形で持ち続けられるかである。そのためには、経営判断に必要なサステナビリティ情報について、必要な粒度・頻度を定義したうえで、現場から適切なタイミングで収集し、経営判断に利活用できる状態にしなくてはならない。