私たちの社名であるアビームは「アジアンビーム」(アジアの光線・力)に由来していることから、アジアには強い思いを持っています。出発点は日本ではありますが、日系企業やアジア企業の支援を通じてアジア社会に貢献することが私たちの強い願いです。
現在、私が管轄している東南アジア地域では、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムの5カ国で約1400人が活躍しています。最も規模が大きいタイのオフィスには500人おり、同国の総合コンサルティング会社としては、事業規模や売上げ、コンサルタント数で、トップを争うポジションまで成長しているところです。
私がマネージングディレクターを務めてきたタイのオフィスには、タイ人はもちろん、ベルギー人などさまざまな人種の外国籍のメンバーがいます。東南アジア全体では、各ローカルのメンバーに加え、フランス人、インド人、中国人が在籍しているなど、多種多様です。
このような多様性のあるチームをつくっていくうえでも、DHBRを非常に参考にしています。現在、当社では東南アジア諸国のオフィスの多様性が、将来の私たちのグローバルにおける経営として目指すべき姿ではないかとの仮説を置き、力を入れているところです。その実現には、多様なメンバーにビジョンを語り、共感を得て、彼らを巻き込んでいくことが欠かせません。日本的なやり方や伝え方では理解されない時、DHBRは米国や欧州発の論文も非常に多いため、引用した話を彼ら・彼女らに伝えることで、少しずつ理解を得られるところがあると考えています。また、DHBRにはダイバーシティに関する論文も多く、Z世代や女性の視点など、自分にない視点をもらえて非常に役に立っています。
タイでは、「持続的成長ができるチームづくり」を目指し、次世代リーダーの育成を通して、組織を駐在員中心からローカルメンバーを中心に移行させるなど、変革を行ってきました。これからは、タイで行った構造改革を他の東南アジア諸国にも広げていくフェーズになります。その際に重要になるのは、いかに高い視座を持ち、その中で、自分自身の思いや主体性を持って進められるかどうかです。
これまで日本を中心にして物事が動いていた部分を変えていきたいですし、新しいサービスやコンセプトを海外でつくり、日本へ逆輸入したり、グローバルに展開したりできるのではないかと考えています。完璧主義ゆえに足踏みしがちな日本に対し、東南アジアはフットワーク軽くチャレンジできる土壌があります。私はこれからも東南アジアを拠点に、さらなる変革に挑み続けたいと考えています。