アビームコンサルティングは、人材マネジメントの最適化に向けた新たな方向性を導出することを目的に、「企業内の人材ミスマッチ実態調査」を実施しました。本調査は、国内企業の人事・経営企画部門に所属し、組織としての意思決定権を有する管理職500人を対象としています。
近年、日本企業では「人材不足」が深刻な社会課題として取り上げられ、多くの企業が人材確保の難しさに直面しています。一方で、実際には人材リソースが十分に活用されていない部署や職種が存在するケースも散見されます。つまり、同一企業内で「人材不足」と「人材過剰」が併存する構造的なアンバランスが生じていると考えられます。
その背景には、DXやAIの導入など、技術革新による業務プロセスの急速な変化が挙げられます。求められる職務やスキルのあり方が変化する中、企業内の人材マネジメントの変革が追いついておらず、ジョブ型人事制度やスキル可視化などを導入しても適材適所が十分に実現できていない可能性があります。
本調査では、人材の「量(需給)」「質(能力・スキル)」「報酬(処遇)」という3つの視点で発生しているミスマッチの実態や要因、ミスマッチが及ぼす経営や人的資本投資への影響を分析するとともに、人的資本経営の進化に向けた新たな人材マネジメントモデルを提唱します。