前回のレポート「マイナス金利政策とリスク管理高度化」では、RAF態勢との関連性について簡単に述べたが、今回はRAFを具体的にイメージすることを目指し、リスクアペタイトの選定に重点を置いて説明して行きたい。
RAFに関しては、言葉そのものは金融庁の平成28年事務年度金融行政方針でははずされたものの、平成27事務年度金融行政方針において、具体的重点施策の中に「リスクアペタイトフレームワークの構築を通じ、経営レベルでのリスクガバナンスの強化を図っているか(将来の経済や市場のストレスを勘案したきめ細かな収益管理や機動的な経営方針・資本政策の見直しを含む)」という文言があったように、RAFの概念や重要性は徐々に国内金融機関に浸透し始めている。国内でRAFと言えば資本配賦や統合リスク管理の延長線上で語られることが多い中、本来であれば収益獲得という概念との結びつきも重要ながら、まずはRAFを実務に反映させる上で、具体的な経営戦略イメージとRAFの関係性を理解できるようにしたい。