人的資本経営における評価指標の管理・分析や人材情報の統合管理を実現するSaaS型プラットフォーム「ABeam Human Capital Platform」

ソリューション

人材領域における評価指標(KPI/KGI)を管理・分析し、データドリブンに推進状況をモニタリングできるSaaS型プラットフォームを提供

近年、企業の価値向上や持続的な成長に向けて人的資本経営が重要な経営アジェンダとなる中、政府主導による人的資本可視化指針などにより、各社には人的資本投資に対する定量的な実践状況の可視化や開示、人材戦略に関するさまざまな意思決定の迅速化や人材マネジメントの高度化が求められています。それに伴い、グローバルでの人的データ収集基盤の構築や、統合的なプロセスの確立、事業に求められる人材充足指標となる人材ポートフォリオの可視化といった対応に追われています。
アビームコンサルティングは、人材領域における諸施策の評価指標(KPI/KGI)の管理・分析や人材情報の統合管理を実現するSaaS型プラットフォーム「ABeam Human Capital Platform」を提供し、企業における人的資本経営の高度化を支援します。
企業が取り組むべき人材マテリアリティ(重要課題)の策定やその解決に向けた施策・指標策定をはじめ、人的資本経営の進捗を動的にモニタリングする「ABeam Human Capital Platform」を用いた基盤を構築し、人的資本投資の最適化ならびにデータドリブンな意思決定プロセスを通じた組織全体の変革を実現します。

背景

人的資本経営の実現に向けて企業価値向上に資する人的資本投資のシナリオ策定、投資結果の把握のための定量的な人的指標の可視化、事業と連動した人材充足の可視化が急務

人的資本経営の重要性が高まる中、人事部門や経営企画部門、DX部門は、経営戦略にもとづく企業価値向上のための人的投資シナリオを策定する必要があります。これまでは、人材戦略と経営・事業戦略の連動が不十分であり、人材戦略は人事部門が独自に目標を設定し、経営・事業戦略への影響が不明確でした。しかし、企業価値向上に向けた事業ポートフォリオ変革の重要性が増す中で、それを支える人的資本に対して適切な投資を行い、経営・事業への成果にコミットすることが求められています。
人的投資による企業価値向上を証明するためには、経営との共通の指標として投資を適切に評価するための定量的な人的指標(KPI/KGI)の設定とデータによるモニタリングが不可欠です。人的投資シナリオに関わる人的指標は多岐にわたりますが、その中でも、経営・事業への成果を明確に示すために、事業推進に必要な人材の充足、いわゆる人材ポートフォリオの充足状況を可視化することが求められています。

課題

グローバルで複雑に存在するタレントマネジメントシステムのデータ集約を行い、人材の質の評価を伴った人材ポートフォリオのデータ作りを行う必要がある

問題点

  1. 統合タレントマネジメントシステム導入によるプロセス統合が道半ばである。このため、依然として各国に異なるシステムが存在し、本来狙っていたデータ統合とワンストップでの可視化の実現が滞っており、集計に多大な時間がかかっている。
  2. 要員計画は策定しているものの、ヘッドカウントでの計画にとどまり、事業が求める人材の質に踏み込んだ人材ポートフォリオの構築、現有戦力の評価、将来要員計画が策定できていない。また、データ化もされていないため、人材充足のためのアクションに確信が持てていない。
  3. 人材の質を評価するにも、必要スキルやコンピテンシーの定義が出来ていない、あるいは陳腐化しており、永続的な維持運用方法が分からない。

アプローチ

「ABeam Human Capital Platform」は、設定した評価指標を自動で集計・可視化するダッシュボード機能をはじめ、人的資本データの収集や開示状況の管理を効率化する機能などを備えており、既存のタレントマネジメントシステムを活用しながら、短期間でデータ統合・可視化できる独立したシステムとして利用することができます。

また、スキル評価にあたっては、マーサージャパン株式会社が提供する、企業が人材のスキルや能力を体系的に整理・分析するためのスキルデータベース「Mercer Skills Library*」を標準搭載し、人材の充足状況をスキルベースで管理できることが可能となります。同社の知見によりリストアップされた約3,000の豊富なスキル一覧の中から自社に合った選択ができるだけでなく、各社の実態に即してカスタマイズが可能なため、自社の事業領域における人材の充足度を可視化することができます。それにより、必要なスキルやコンピテンシーを持つ人材の適切配置や、育成・採用戦略の最適化を支援し、人材戦略に関するさまざまな意思決定の迅速化や人材マネジメントの高度化を促進します。

※「Mercer Skills Library」…企業が人材のスキルや能力を体系的に整理・分析するためのスキルデータベース。従業員のスキルの可視化により、最適な人材配置や人材開発プランの策定を支援。

「ABeam Human Capital Platform」の全体像
人材ポートフォリオのモニタリング画面イメージ

特長

  • 人的データに適したダッシュボード・データ統合機能の提供

    企業全体で活用するダッシュボードは多く存在しますが、人的データの活用には適さない場合があります。「ABeam Human Capital Platform」では、人的データのモニタリングに適したダッシュボードと、複数システムのデータ集約機能を提供しています。

  • 「Mercer Skills Library」の活用

    マーサージャパン株式会社との提携により、グローバルで活用されているスキルの一覧機能を標準で利用することができます。これにより、スキル定義およびスキル評価の短縮化を図ることができます。また、各社の実態に即して、スキル定義に関するコンサルティングサービスを提供します。

  • 各国のレギュレーションに対応した基盤

    グローバルでのデータ統合を視野に入れ、各国のレギュレーション(GDPR、個人情報保護法など)に対応可能な基盤を提供しています。さらに、導入時に各国との調整に関するコンサルティングサービスも提供しています。

人的データに適したダッシュボード・データ統合機能の提供

「ABeam Human Capital Platform」では、人的データのモニタリングに適したダッシュボードと複数システムのデータ集約機能を提供しています。具体的には、以下の通りです。

  1. 経営層向け:人的資本経営における重要指標を集計・可視化し、PDCA(達成状況の確認と未達の場合の問題箇所の調査)実行の基盤とする機能。
  2. 人事・コーポレート部門向け:ステークホルダー期待への対応や外部への魅力訴求のための開示すべき人的指標を、工数負荷をかけず収集・集計する機能。
  3. HRBP(事業部付の人事部門)・人事部門向け:各従業員のロール・スキルの情報をもとに、重点領域の人材充足の目標を把握し、人員を質・量の観点で充足させるための機能。
  4. HRBP向け:人材ポートフォリオの要となるスキル登録・スキル推論機能を提供し、企業の保有戦力を可視化するための質(スキル)の情報を、AIを活用して効率的に収集する機能。

上記の機能をワンストップで提供し、これまでコーポレート共通の基盤で構築する際に抱えていた人的データ活用の課題を解消します。

「Mercer Skills Library」の活用

自社の活用目的に合ったスキルの整備と、スキル評価の継続的な実施は難しいものです。質にこだわろうとスキルの粒度を細かくしすぎると運用が困難になるほか、スキルが陳腐化する恐れもあります。さらに、自社の独自性を追求した結果、労働市場で共通言語として解釈できるスキルと乖離し、採用などでの活用が難しくなるケースも見受けられます。
こうした状況を解消するため、マーサージャパン株式会社と提携し、グローバルで活用されている「Mercer Skills Library」の機能を標準で搭載し、人材の量と質の両面での人材充足状況の可視化を支援します。さらに、スキルを自社独自にカスタマイズし定義するコンサルティングサービスを提供し、スキル定義およびスキル評価の短縮化を図ります。
また、「Mercer Skills Library」をもとに定義を行うことで、労働市場でも活用しやすいスキル定義を実現します。さらに、スキルライブラリは適時更新され、陳腐化を防ぐための維持運用の負担を軽減します。

各国のレギュレーションに対応した基盤

グローバルでのデータ統合には、各国のレギュレーション(GDPR、個人情報保護法など)への対応が不可欠です。ヘッドクォーター主導でデータ集約のための各国との調整を適切に行うには、大幅な工数がかかります。
「ABeam Human Capital Platform」では、各国のレギュレーションに対応したシステム基盤を構築・提供しています。また、各国のレギュレーションに合わせた調整・合意・収集の一連のやりとりをサポートするコンサルティングサービスも提供し、グローバルでのデータ収集にかかる負担軽減を支援します。

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