アビームコンサルティングでは、2017年のスポーツエンターテインメント部門の立ち上げからこれまでに獲得した知見を生かし、クラブチームやプロスポーツリーグの収益基盤強化に向けた支援にも力を入れています。
基本コンセプトは「Direct to Fan」。リーグやクラブは、試合映像や選手の肖像などのIP(Intellectual Property:知的財産)を所有しています。このIPを活用して新たなコンテンツを作り、直接ファンへ提供することで、稼ぐ力を高めてほしいと考えています。
その一例として、当社では「ライブオークション」という仕組みを展開しています。たとえば、試合後のロッカールームで選手が脱いだ実物のユニフォームにサインをし、ライブ配信でオークション販売することも可能です。
企業側に目を向ければ、スポンサーとして資金提供するだけでなく、さらに幅広い観点でスポーツビジネスに関わろうとする企業も増えています。
アビームコンサルティングもそうした企業の1社です。イングランド・プレミアリーグのトップチームであるマンチェスター・シティFCとの間で、日本における「オフィシャル・マネジメントコンサルティングサービス・パートナー」契約を締結し、同チームがグローバルで培ってきたファンエンゲージメントを高めるCX(カスタマーエクスペリエンス)や組織力を向上させるDX(デジタルトランスフォーメーション)の知見と、当社のコンサルティングサービスを組み合わせ、スポーツ団体や企業に対して、デジタルを活用したCX向上に関する構想策定などに貢献しています。
マンチェスター・シティFCは、2022-23シーズンには史上8クラブ目となるトレブル(プレミアリーグ、FAカップ、UEFAチャンピオンズリーグの三冠)を達成、また2023-24シーズンの優勝によってプレミアリーグ4連覇という前人未到の快挙を果たし、世界最高レベルのクラブの一つとして、ファン層や事業規模を飛躍的に拡大しています。
その取り組みには日本のスポーツビジネスを発展させる大きなヒントがあると考え、2024年10月にはパートナーシップを更改し、さらなる取り組みを進めているところです。
スポーツビジネスにおけるクラブチームと企業の協業は、このように新しい事業をともに手がけるパートナーシップに変わってきていると思います。また、企業の支援がなければ、スポーツビジネスは成立しません。スポーツ界の発展のため、スポーツ団体側はどのような価値を提供できるのかを考える必要がありますし、企業側にはスポーツは事業に活用できるものだという理解を深めてもらう必要があります。
そのため、私たち自身がビッグクラブとのパートナーシップで得た知見や、パートナーシップを実現するために必要な過程についての知見も、スポーツ界や企業に還元していきたいと考えています。