自然災害の頻発、広域化・複雑化により、自治体などの現場では、今まで用意していた防災計画ではカバーしきれない不安を感じ始めているのではないでしょうか。そのような中、救助要請や避難所等への支援といった、住民が本当に困っていることに適切に応えるための取り組みは、今まで以上に重要になると考えます。特に、状況把握(=情報収集と分析)は、自治体などの組織内での報告・共有・判断のためにも、また、組織外への協力要請の判断のためにも、自然災害対応の中で重要な要素となります。
昨今は、現地の状況を実際に見ること、電話で状況を聞くことなどに加えて、Twitter™をはじめとしたSNSで発信される情報の活用が注目されています。SNSで発信される情報は端的かつリアルタイム性があり、速報としての価値は高く、報道機関などが情報ソースとして使うことも踏まえると、「知らなかった」とは言いづらいレベルの認知度です。一方で、SNSの情報は正確性にバラつきがあり、個人の発信の仕方によっては、いつどこで何が起きているのかを把握しづらいケースが散見されます。また、デマ情報などが紛れ込むケースもあります。そして災害時には情報の量そのものが格段に増えるのも特徴(熊本地震では1週間で地震関連ツイートが約2600万、東日本大震災当日は国内全体のツイート数がそれまでの2倍に迫ったとも言われている)です。
アビームコンサルティングでは、高度自然言語処理技術を活用し、SNS状況把握をサポートする情報通信プラットフォームを研究開発し、社会実装の準備を進めています。総務省の社会実装事業※1を受託し、国立研究開発法人情報通信研究機構が研究開発したDISAANA™/D-SUMM™をベースに、社会実装のための高度自然言語処理機能の強化、SNS以外の情報ソースのマッシュアップ、ユーザーの利用に合わせたGUI/APIの開発を実施中です。