日本企業の企業価値(PBR)向上に向けた「進化するROIC経営の実態調査」第2版

調査・ホワイトペーパー
2026.03.31
  • 経営戦略/経営改革
  • 企業価値経営

アビームコンサルティングは、日本企業のROIC経営と企業変革に向けた取り組みの実態を把握し、企業価値向上の実現との相関を明らかにすることを目的に、「進化するROIC経営の実態調査」を2023年10月に実施しました。その後2年が経過し、日本企業を取り巻く環境が大きく変わる中、各社の経営管理がどのように変化をしているのか。資本コストやPBRを意識した経営への要請が一層強まる中、単なるROIC算定や開示にとどまらず、投資・撤退、非財務資本、ステークホルダーとの対話までを含めた経営管理の実践が求められている。こうした変化の中で、企業間の取り組み状況に差が生じ始めているのではないか。優良企業とその他の企業の「差」は開いたのか、縮まったのか。最新の実態を把握すべく、2025年8月に追加調査を実施しました。

本調査は年間売上300億円以上の日本企業の経営企画、経理/財務、IR経験のある部長職以上・役員1030人を対象としています。

企業価値を向上させるため、「①メリハリ投資」、「②競争力と収益力のマネジメント」、「③ステークホルダー共感」を中心とした「企業価値マネジメントサイクル」を回転し続ける企業において、相対的に高いPRBが得られる傾向が明らかになりました。

アビームコンサルティングは前回調査を通じて、PBR1倍割れ問題を機に「ROIC」言及企業が大幅に増加する中、PBRの高い優良企業の特徴を抽出し紹介しました。第2版では、優良企業が取り組む「企業価値マネジメントサイクル」の実態とともに、一層進化する「非財務と財務の統合経営管理」の実態を紹介するとともに、各社の置かれている状況に応じた企業価値向上に向けた示唆を提示します。

  • 斎藤 岳

    Principal 顧客価値戦略ユニット/企業価値戦略ユニット長
  • 小宮 伸一

    Principal

調査結果の概要

  1. レポート発刊の背景
  2. 調査・分析の概観
  3. 日本企業のPBR向上に向けた「進化するROIC経営の実態調査」~優良企業の特徴~
  4. 「進化するROIC経営」を通じた企業変革の加速
    ~進化するROIC経営導入支援サービスについて~

調査結果の全文は下記をご覧ください。

調査結果のサマリー

企業価値向上に向けたマネジメントサイクルの必要性

本調査では、①メリハリ投資を行い、②競争力と収益力をマネジメントし、③ステークホルダーとの共感、という観点から構成される「企業価値マネジメントサイクル」に着目し、各社の取り組み状況を調査・分析した。

事業撤退の意思決定とPBRの関係性

前回調査同様、今回調査でも、「事業仕分けの基準を定義し、撤退の意思決定を行っている企業において、PBRが相対的に高い傾向にある」ことが判明した。

本調査では、PBR1.3倍以上かつ事業撤退の経験がある企業を優良企業、PBR1.3倍未満かつ事業撤退の経験がない企業を改善余地企業として類型化し、ABCDの4つの企業群の「企業価値マネジメントサイクル」の取り組み状況の調査結果を分析している。

各企業の現在地

A・B企業はPBRが高い企業群であり、A・C企業が事業撤退の経験を有する企業群である。これら両方に該当するA企業は、企業変革に関する取り組みとあわせて、相対的に高い市場評価(PBR)を得ている状態にある。
一方、事業撤退の経験はあるが、PBRが低いC企業は、企業変革の途上にあり、その取り組みが現時点では市場評価に十分に反映されていない可能性がある状態と位置づけられる。C企業は、A企業同様に「企業価値マネジメントサイクル」にもとづく取り組みを積極的に推進しており、今後それらの取り組みが市場評価にどのように反映されていくかについては、継続的な観測が必要である。

「企業価値マネジメントサイクル」の取り組み状況の実態

A企業では企業価値向上に向け広範に取り組むが、B企業ではガバナンス強化や事業ポートフォリオ変革の取り組みが限定的である。C企業ではA企業同様に取り組む中、特に事業ポートフォリオ変革やDX・コスト削減を集中的に強化している状況が明らかになった。

各企業が特に強化している取り組みのTOP5を見ると、B企業では事業ポートフォリオ変革に次いでDX/コスト構造改革を、C企業では事業ポートフォリオ変革よりもDX/コスト構造改革を重視している傾向。D企業では全般的に取り組みが進んでいない傾向が見られる。

優良企業と自社を比較することで、取り組むべき打ち手が見えてくる。本調査は、企業価値向上に向けた取り組みを個別施策の有無ではなく、「企業価値マネジメントサイクル」として構造的に整理し、ABCDの企業類型毎に実践度合の差を可視化した点に特徴がある。

調査結果から明らかになった優良企業の特徴

優良企業は、「企業価値マネジメントサイクル」を経営管理に取り込んでいる。具体的には、適切なポートフォリオ管理による投資対象の明確化⇒競争力源泉への投資と評価⇒ROICと連動した現場KPI設定による収益力強化…のサイクルを回し、成長要因の積極開示を行いながら企業価値の向上を図っていることが明らかになった。

本調査では、①メリハリ投資、②競争力と収益力をマネジメントし、③ステークホルダーとの共感、④組織・システム基盤整備、の各項目において、優良企業の取り組み詳細と事例を紹介している。

調査結果の全文は下記をご覧ください。

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