昨今、経済安全保障上の輸出・調達規制、アメリカと中国の貿易摩擦、COVID-19、ロシアウクライナ侵攻などによる途絶もあり、サプライチェーンは複雑化している。
結果として、間接的な取引先までの情報管理、倫理、環境、有事の対応の3E、BCPなどサプライチェーンにおける考慮事項は多角化・高度化されている。調達部門としても中長期的に安全、信頼ある企業調達を実現でき、リスク管理がなされる体制、仕組整備の着手が急務となっている。
しかし、これらの必要性は理解しつつも、調達現場は日々の購買オペレーション業務に忙殺され、ERPや購買管理システムではカバーしきれない見積・査定などのソーシング業務の負荷も高い。従前からソーシング業務は負荷の高い業務ではあったが、調達部門として多角化・高度化された考慮事項が増え、付加価値の高い業務にシフトしていくためにも変革の緊急度が増したと言えよう。
本インサイトでは日系企業の調達のソーシング業務で、デジタル技術の活用事例・アプローチによって、調達部門が付加価値の高い業務にシフトするための第一歩となる取り組みを解説する。