非構造化データの使用と属人的な業務プロセスで負荷の高かったソーシング業務をAI/DXの活用により効率化を実現
非構造化データの使用と属人的な業務プロセスで負荷の高かったソーシング業務をAI/DXの活用により効率化を実現
Customer Profile
経営/事業上の課題
課題解決に向けたアビームの支援概要
支援の成果
新規見積依頼時の参考情報となる大量の過去実績は、PDF等検索性を欠く非構造化データの形式で帳票種類毎に異なるシステムに保管されており、体系的な整理が困難な状況であった。
また、参考情報の検索プロセスは標準的な指標が存在しておらず、各担当者の経験と勘を頼りにした属人的な業務を行っており、業務のあるべき姿を定義することも困難な状況であった。
そのため、非構造化データを使用した当該業務の負荷が高いことに加え、業務知見に富むベテランバイヤーと新人バイヤー間の業務効率差が著しい状態にあった。
プロジェクトの対象となった業務プロセスは、帳票に記載されている仕様情報を項目単位で抽出し、抽出した仕様情報を担当者がマニュアルで組み合わせて分析・意思決定を行っていた。
当該プロセスでは、紙媒体の使用による業務負荷の高さと意思決定プロセスの属人化が課題となっていた。
課題解決を目指した際、既存ソリューションを活用したアプローチでは、項目単位での仕様情報の構造デジタル化と判断プロセスの自動化を実現することは困難であったため、AI・DXを活用した改革が必要となった。
AI・DXを活用したアプローチを採用し実務に耐えうる「データ構造化」と「アルゴリズム開発」を実現するために、クライアント業務担当者との綿密なセッションを通して以下のような既存業務で使用する生情報を集め、To-Be業務で活用すべき重要な情報を特定することに努めた。
結果として、業務上必要な情報が統合・付与されたデータ構造化とベテランバイヤーの知見に基づいたアルゴリズム開発を実現できた。
それにより、必要情報の検索性が高まり、また担当者間の業務効率差を改善することができた。
当該プロジェクトでは、以下主要3タスクへの支援を通して当該部門のソーシング業務効率化を実現した。
それぞれのタスクについてAI・DXの知見提供に留まらず、業務サイドが中心となって時にクライアントを巻き込みながら実務に耐える「データ構造化」「AIアルゴリズム構築」「システム実装」を心がけプロジェクト推進を行った。
結果として、従来マニュアル負荷の高かったソーシング業務における見積作成プロセスの効率化を実現することができた。また、クライアント側も保有データの品質に関する理解が深まり、現実のデータ状態から最大限の価値を生む仕組みの実現ができ、先々の高度化に向けた足がかりとなった。
2022年3月9日
石毛 秀明