かつてないほど、短命化する企業の競争優位性、パーソナライズ化されたニーズへの対応、そして業界の垣根を超えた競争環境の変化などに対応するため、デジタルテクノロジーを用いた変革は待ったなしの状態である。
アビームコンサルティングが2020年10月~11月に実施した「日本企業のDX取り組み実態調査」では、日本企業の約6割は新規事業の創出、ビジネスモデル変革、新サービス・製品開発などの“攻めのDX”を最も重要なテーマに設定していることが明らかになった。
そこで、アビームコンサルティングは、日本企業の“攻めのDX”の取り組みトレンドの把握とその成功と失敗の分岐点を明らかにすることを目的に「日本企業の“攻めのDX”実態調査」を2021年6月に実施した。
調査結果によると、多くの企業が“攻めのDX”に関連する取り組みを行っているものの、成功に至っている企業は約8%であることが判明した。これは、企業にとって変革プロジェクト自体の難易度が高いうえに、新規事業の創出や既存事業の売り上げ向上のためのビジネスモデル変革を目的とするDXの取り組みの難易度がさらに高いことを示唆している。
そこで、本インサイトでは、“攻めのDX”の成功要因をさらに深堀するために「日本企業の“攻めのDX”実態調査」の結果をもとに、日本企業の“攻めのDX” の取り組みのトレンドと、その成功と失敗の分岐点を明らかにする。そして、それらの分岐点を乗り越え、成功へと導くためには何が必要なのかを示唆として提示する。