事務局を務めるアビームコンサルティングのSenior Manager内田 悠介からは、本実証の背景と目的、および実証に関する計画が改めて共有された。
トークン化預金は、2024年に国内で商用化を開始しており、現在進行系で複数の銀行がトークン化預金の発行に向けた対応を既に開始している。そのため、トークン化預金のマルチバンク決済をどのように実現していくかは、国内の決済インフラに関する重要な社会的な論点となっている。
「日本におけるトークン化預金の銀行間決済について、最適な実現方式は何か、多角的な観点から検証していく」、これが本実証の主目的であることが、改めて説明された。各行の動向や今後の見通しといった背景を踏まえると、この論点は差し迫った検討課題となる。
併せて、本実証で検証している銀行間決済方式について、関係者間での読み合わせが行われた。まず示されたのが、本実証で主として検証する「幹事行方式」である。民間銀行の1行が幹事行となり、トークン化預金上のユーザー間送金と幹事行内におけるトークン化預金上の銀行間決済を同時に行う方式である。24時間365日、全ての取引をRTGS(Real-Time Gross Settlement:即時グロス決済)にし、新たなビジネス機会の創出や、決済コスト・決済リスクの低減等を目指すものである。
これに加え、その他の実現方式についてもポイントが共有された。「ステーブルコイン連携方式」は、トークン化預金上のユーザー間送金に関する銀行間決済を、資金決済法上の電子決済手段であるステーブルコインを活用して行う方式である。また、既存の決済システムと連携してトークン化預金の銀行間決済を行う方式についても示された。
本実証は2026年4月に金融庁FinTech実証実験ハブPIPに採択され、検証を既に開始している。8月の本全体会を経て、今年度内(2027年3月)に実機検証やとりまとめを含めて完了する予定である。
参加者の役割は5つに区分されている。①申請代表のDCPが論点整理・システム開発・検証・運営等を主導し、②代表銀行のGMOあおぞらネット銀行がトークン化預金の発行銀行として、検証環境の用意・実機検証・作成物レビューを担う。③事務局のアビームコンサルティングがDCPと連携して事務局運営を行い、④参加銀行が実証実験で生じた検証仮説への見解を提示する。⑤オブザーバー参加となる銀行は任意で質問、見解、懸念点等を提示する。