銀行の決済インフラは今、大きな転換期にある。企業CFOの関心は、口座残高の「見える化」から資金をいつでもどこでも使える状態にしておくことへ移っている。一方、日本の銀行システムは長年の営業日・営業時間の制約ゆえに、資金が眠ったままになる空白時間が存在する。本稿では、ブロックチェーン技術、特にトークン化預金を活用して、このギャップを埋める金融インフラの段階的モダナイズ戦略を探る。ここで言う「モダナイズ」とは、①24時間365日の常時稼働体制の実現、②リアルタイム決済・即時資金移動への対応、③既存勘定系システムを活かしながら段階的に機能を拡張していくアプローチ、の3つを指す。新規ビジネス開発ではなく現行業務の課題解決に焦点を当て、既存システムと共存する横付けモデルによる24時間化の道を示し、段階的な導入の考え方と今後の展望を論じる。