アビームコンサルティングは、クライアントが直面する前例のない社会課題・経営課題を、AIによって解決するコンサルティングサービスを提供している。その1つとして、業務知見とAI技術を融合させたコンサルティングサービス「AIソーシング」を2024年3月から提供開始している。本サービスの活用を通じて、高度化するさまざまな経営アジェンダの推進を支援している。
では、AIソーシングサービスのプラットフォーム「ABeam AI Platform」を活用した具体例を2つ紹介する。
1つ目は、製造業の事例である。「製造業における事故やトラブル」といった失敗のデータを学ばせたAIを活用することで、人手不足に悩む製造現場の課題解決を図る。具体的には、このAIは、「永遠のベテラン社員」として、現場のスタッフと協働して作業できる環境を実現し、働きやすくミスの少ない業務を目指す。従来は熟練の技術者が蓄積してきた属人的な知識や経験を、AIによって共有および、次世代へ継承することにより、ヒューマンエラーの低減や作業効率改善を図り、業務の安全や生産性向上に寄与することができた。
2つ目は、スリープテック(睡眠×テクノロジー)とウェルビーイング推進支援の事例である。昨今フォーカスされている経営アジェンダに「人的資本経営」があるが、ウェルビーイングは、人的資本経営実践において鍵を握るファクターだ。従業員のコンディションとパフォーマンスの関連性を可視化することで、従業員のストレス低減を促し、価値向上を図る。具体的には、従業員数360百人、売上高1兆5000億円の企業において、従業員1000人を対象に4か月間、睡眠プログラムを実施した。睡眠改善により労働生産性インパクト試算において年間108百万円の効果が見られた。(図3)