今回の調査では、各業種・規模の製造現場におけるスマートファクトリーへの取り組みと現状の課題などについて網羅的に把握した。
今回の調査により、日本の製造業においてスマートファクトリーの取り組みは「完全自動化」を目指す企業が大半である一方、「工場データとサプライチェーンの連携」「工場データと設計開発データの連携」などにも取り組みが広がってきていることが確認された。
また、取り組みが上手くいっている企業とそうではない企業に二極化してきている傾向があり、上手くいっていない企業における課題は、拡大していく取り組みの中で「スマートファクトリーの将来像」の巻きなおしができていない、ないしはコミットが取れていない、完全自動化に向けたOTの見直し、デジタルツインの活用が進まないことにあることなどが挙げられる。
スマートファクトリーを再度進めるためには、検討ステップを見直し、まずは工場の将来像から、将来におけるOTの内容を明確にしていくことが重要である。
また、経営者のコミットがスマートファクトリーを進めるキーポイントになる一方で、リソース(人材、活動資金)が不足している現状も洗い出された。
既存工程のデジタル化、改善の延長線上の取り組みから、現在のスマートファクトリーは「工場データとサプライチェーンの連携」「工場データと設計開発データの連携」など、部門を跨ぐ取り組みになってきており、その分、経営者は全社的な取り組みとしてのリソース確保を進めることが必要となってきている。