アビームコンサルティングのリードのもと、以下の取り組みを推進・実行した。
【人材戦略で”現場社員の教育の器を広げる仕組み作り”を人的重要課題に定め、経営陣、現場・内勤社員が一体となって進めた育成改革を始動】
エンゲージメントサーベイにより、現場社員の育成機会や成長実感にばらつきがある実態が明らかになった。これを受け、全社的な変革を進めるにあたり、経営陣は自らの変革の必要性を認識し、同社の原点と今後のあるべき姿を確認するため、MVV(ミッション・ビジョン・社訓)について深く議論を重ねた。人材戦略策定では事業戦略との連動性を重視し、限られたリソースの重点配分を検討。その結果、優先すべき人的重要課題の一つとして「現場社員の教育の器を広げる仕組み作り」を特定した。MVVを軸に、外部・内部環境の変化も踏まえて課題を丁寧に分析・議論し、全社が納得感を持って取り組める形としたことが、育成改革の第一歩となった。
【”教える・教わる”を会社組織で支える新たなモデル確立が急務】
時間外労働規制や社員の多様な価値観への対応により、現場の教える側である上司は、従来から行ってきた職場内訓練(OJT)を実施しづらくなり、また教える時間そのものも制約を受けていた。よって、“部下が育ちづらく、上司も育てづらい状況”が深刻化していた。このような状況を鑑みて現場の上司だけでなく、教わる側の部下の心構えや振る舞いを高めることや内勤社員が現場の上司・部下に寄り添ってサポートするという考えのもと、「上司・部下・内勤が共に考え、支え、学び合う」姿を育成のあるべき姿として明確化した。これを体現するために、経営陣、現場・内勤社員の全員で議論を尽くし、職場内訓練(OJT)の心構え・振る舞いを言語化したOJTマニュアル(上司編・部下編)と、内勤社員の支援行動を示した内勤サポートマニュアルを策定した。
【現場で使いながら磨き上げていく、マニュアルを“育てる”という仕組み】
OJTマニュアル、内勤サポートマニュアルは「作って終わり」ではなく、現場で使いながら改善していく“育てる仕組み”として位置づけた。マニュアルは、現場社員と内勤社員が対話を通じて継続的にブラッシュアップしていく前提で運用。言語化された育成のノウハウを軸に改善を重ねることで、属人的な知見を会社組織に蓄積・展開していくことが可能となった。