~社員のコンディションから企業業績や企業価値を向上~
データドリブンな健康経営を実現する『Digital Well-Being』提供開始

アビームコンサルティング株式会社

 アビームコンサルティング株式会社(代表取締役社長 鴨居 達哉、東京都千代田区、以下 アビームコンサルティング)は、社員データと企業データの組み合わせやデジタルテクノロジーの活用によるデータドリブンな変革を推進し、健康経営を実現するソリューション『Digital Well-Being』を開発、2020年より提供開始します。本ソリューションの初めての実績として、2020年7月からSMN株式会社(代表取締役社長 石井 隆一、東京都品川区)にて実証実験を開始しています。

 

■背景
健康経営は、経済産業省により『従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること』と定義されており、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つとされています。健康経営優良法人や健康経営銘柄の認定数は年々増加傾向にあり、今後も健康経営に取り組む企業が増加すると考えられます。一方、健康経営は経営手法の一つにも関わらず、具体的な取り組み方法がわからない・効果が見えづらいといった点が取り組みの妨げになっていることや、実際の企業の取組みは単発的な病気予防・健康増進施策の実施に留まっているといった課題があります。

■ソリューション概要
上記の課題に着目し、社員データを収集、企業データと組み合わせて分析し、健康経営がもたらす経営上の効果や相関性を定量的に可視化します。加えて、社員の健康状態の把握から、業績や株価といった経営視点でメリットをもたらす施策の立案・実行支援まで、企業価値向上に貢献する健康経営の実現を支援します。

1.社員データの収集・可視化~脳科学の知見を活用したセルフコンディショニング
専用Webアプリケーション『Business Athlete Conditioning Level(BACL)』を通じて、社員へアンケートを実施し、健康習慣(食事・運動・睡眠など)や仕事のパフォーマンス・モチベーションに関する社員データを収集します。アンケートは、脳科学研究者である早稲田大学リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門(部門長 小林 哲則、東京都新宿区)教授 枝川義邦氏の監修のもと、脳科学に基づいて設計し、仕事中の脳のコンディションを問う設問の検討を進めております。
回答した社員には、独自のアルゴリズムに基づき数値化されたコンディションやパフォーマンスの評価に加え、仕事内容に応じた脳のパフォーマンスを向上させる時間帯や脳内物質を活性化させる生活リズムなど、脳科学の知見を活用したセルフコンディショニングのためのアドバイスが配信されます。

2. 社員データ×企業データで、社員の健康が企業経営へもたらすインパクトを可視化
データアナリストが、社員データと企業データ(財務・業績・人事などの情報)を組み合わせ分析し、健康投資対効果や生産性指標などを可視化します。各データや分析結果は健康経営プラットフォームの「Digital Cockpit」を通じて可視化します。

3.データドリブンな健康経営施策の立案~実施を支援
結果をもとに各領域の専門コンサルタントが、取り組むべき健康経営課題の設定、組織/事業別健康経営KPIの設定、より効果的な健康施策立案、経営戦略や事業計画への反映、施策の実行支援、効果測定の一連を支援します。

4.スマートフォンや他社ヘルスケアアプリと提携
スマートフォンやデジタルデバイス、他社のヘルスケアアプリとの連携により、運動・食事・睡眠など個別に記録できます。既に各企業が利用しているデバイスやアプリと連携させることで、企業データを組み合わせた効果検証や施策検討が早期に実現可能となり、デバイスやアプリの活用の高度化を促進します。

スマートフォンや他社ヘルスケアアプリと提携


多様な業種業界のコンサルティングサービスの提供で得た企業の経営戦略の知見やデータ分析のノウハウを活かし、社員データを健康経営データとして活用することで、データドリブン経営の推進を支援します。
働き方改革で課題を抱える企業、経営戦略として健康経営に取り組む企業やESG経営に取り組む企業を対象に提案・提供していきます。提供金額は企業のニーズや支援範囲により異なりますが、トライアル分析を対象とした場合、300万円程度からとなります。初年度10件の提供を目指します。

■今後の展開
今後は、社員のコンディションデータやパフォーマンスデータを営業業績と組み合わせた分析による生産性向上施策策定や、コンディションも含めた包括的な社員データを活用したピープルアナリティクスやタレントマネジメントの実現を目指して、営業支援システムや人事システムとの連携機能の追加を予定しており、健康経営の領域においてもよりデータドリブンな変革の推進を支援していきます。
また、健康経営を通じた長期的に働くことができる人材の育成は、少子高齢化による労働人口の減少や医療費の増大などの社会課題解決や、企業活動の社会(ソーシャライズ)化にも寄与します。今後も経営視点での健康経営の推進支援を通じ、企業や社会の課題解決に貢献していきます。

<参考:健康経営の広がり>
健康経営優良法人認定企業数や健康経営に関するメディア露出数の増加など、健康経営
の注目が高まっています。

健康経営の広がり

健康経営優良法人認定企業数の推移 (大規模法人部門)

健康経営に関するメディア露出数(月次推移)

健康経営に関するメディア露出数(月次推移)

出典:経済産業省「健康経営の推進について」

参考<当社の取り組み>

BACLの活用事例:緊急事態宣言中の生産性向上
アビームコンサルティングは、社員を「Business Athlete」と捉え、社員自らが健康をマネジメントし高いパフォーマンスを維持することが重要であると考え、経営戦略として働き方改革「Workstyle Innovation」を推進しています。その一環として、BACLの活用に2018年より全社的に取り組んでおり、緊急事態宣言前後においても社員のコンディションのデータの取得・分析を通じて、生産性向上や新しい働き方施策の検討に活用しました。

■概要
緊急事態宣言中において、仕事の生産性(業務の計画に対する進捗や品質など仕事の出来やコミュニケーション)と、健康状態(睡眠・食生活・運動などの生活習慣や体調)について、週1回のアンケート調査を実施しました。

目的:緊急事態宣言による働き方の変化によって、社員が新たに抱える課題の把握とその対策を早急に講じるため
調査対象:国内の全社員
回答数:1,548名
調査期間:2020年4月17日~2020年5月29日(4/17、4/24、5/1、5/15、5/22、5/29 )
調査方法:Webアンケート

■調査結果(一部抜粋)
調査結果の分析から、テレワークの生産性に関して、下記の結果が明らかになりました。

① 睡眠習慣(満足度)と仕事の出来は比例する。

睡眠習慣(満足度)と仕事の出来は比例する


② 仕事の内容を個人作業とチーム作業に分けた場合、個人完結作業の方が、仕事の出来が低下しにくい。

仕事の内容を個人作業とチーム作業に分けた場合、個人完結作業の方が、仕事の出来が低下しにくい


③ 作業環境について、ストレスを感じていない社員は全体の約23%のみであり、77%は何らかのストレスを感じている。

作業環境について、ストレスを感じていない社員は全体の約23%のみであり、77%は何らかのストレスを感じている。

 
④ 仕事の出来の維持/向上のための作業環境として、①部屋割り、②イス、③デスクの整備・工夫が重要である。

仕事の出来の維持/向上のための作業環境として、①部屋割り、②イス、③デスクの整備・工夫が重要である。


■対策
アンケートで得た回答やデータ分析から、下記の対策を講じました。

① 緊急事態宣言中における、生産性向上のための施策立案・実施
食事・運動・睡眠習慣と生産性の正の相関関係がみられたため、以下の施策を実施しました。
睡眠:睡眠の質向上のためのアクティブスリープセミナー
食事:栄養バランスを整えるためのデリバリーやコンビニの活用法、アプリを使った食事改善の提案
運動:自宅でできる筋トレやストレッチ動画の配信、エクササイズ応援企画(9日間連続でおすすめエクササイズ動画を社内SNSで配信)

② 緊急事態宣言中における、全社員へのノウハウ共有
本調査結果や効率的なテレワークのためのノウハウ(Web会議効率化やチャットツール有効活用などのtips、在宅勤務における運動・睡眠・食事の工夫)など、すぐ活用できる情報をメールで全社員に共有。

③ 中長期的な働き方改革の定義
2017年より取り組んできた働き方改革を、社員の意見も踏まえ、更に踏み込んだ変革としていくことを決定。社員一人ひとりの価値観で自律的に選択できる多様で柔軟な新しい働き方、「Biz Athlete Workstyle 3.0」として定義。


■今後の展開
同様の調査を継続的に行い、調査結果を通じて明らかになった課題把握とその解決施策立案・実施を通じて、社員の健康増進・働き方をサポートしていきます。また、調査によって蓄積した知見やデータを基に、更に「Digital Well-Being」の精度を向上させていく予定です。

アビームコンサルティング株式会社について

アビームコンサルティングは、アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを提供している総合マネジメントコンサルティングファームです。戦略、BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約 6,600 名のプロフェッショナルを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、パブリックなどの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供しています。
ホームページ:https://www.abeam.com/jp/

  • ※アビーム、ABeam及びそのロゴは、アビームコンサルティング株式会社の日本その他の国における登録商標です。

  • ※本文に記載されている会社名及び製品名は各社の商号、商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ

アビームコンサルティング株式会社
経営企画グループ コーポレート・コミュニケーションユニット
シニアマネージャー 樺澤わかな、宮本深優
TEL:03-6700-8227、080-2003-1833(樺澤)、080-1012-8078(宮本)、FAX: 03-6700-8145
E-mail: wkabasawa@abeam.com , mimiyamoto@abeam.com

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