自動車

業界

CASEが変革の大前提となる時代、
「ブランドオリジナリティ」を磨きながら
新たな競争力・社会価値を再定義し、
グローバルでの持続可能な成長を支援

脱炭素・循環社会への転換、デジタルテクノロジーの進化、人口動態の変化により、産業の枠を超えた新たな社会システムへの変革が加速しています。日本の基幹産業である自動車業界も「人やモノを運ぶ製品の提供」を越え、地域社会と連携した交通インフラやエネルギーエコシステムの構築など、新たな価値創出が求められています。さらに、自動運転技術の普及やDXも本格化し、業界の変革は次のステージへと移行しています。
アビームコンサルティングは、CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動運転、Shared & Services:シェアードサービス、Electric:電動化)の進展で多角化する自動車事業において、企業の「ブランドオリジナリティ」を最大限に発揮し、持続的な成長を実現するために伴走します。

インダストリーアジェンダ

価値創出のかなめとなる“ソフトウェア指向のものづくり改革”

CASEが注目されて以降、自動車の商品性は車両単体ではなく、周辺サービスを含めた総合価値へと変化しました。その中心的な役割を担うのがソフトウェア技術です。
価値創出の実現には、従来の高度なハードウェア開発に加え、車載・クラウド上で動作するソフトウェア、計算機・通信基盤、セキュリティを考慮した複雑なシステム構築が求められ、開発の比重も高まっています。
新興メーカーや中国系OEMは、これらをスピーディに、低コストかつ高品質に実現するための新しいアプローチとして、Software-defined Vehicle(SDV)を追求しています。SDVとは、CASEの延長ではなく、CASEを前提とした“ソフトウェア指向のものづくり改革”と位置づけられます。
その実現には、単にE/Eアーキテクチャ刷新や統合ECU、アジャイル・DevOps、AI駆動開発の採用といったソフトウェア側のテーマにとどまりません。さらにハードウェアにもアジャイル思想それに応じた組織やプロセスの変革を行うなど、ものづくりのあり方を再構築する視点が求められています。

電動化が拓く新たな産業構造 ― サステナビリティと競争力の両立

電動化の潮流により、製造から再資源化までの循環が産業構造の再設計を促しています。一方で、廃車・電池・素材の回収や再資源化の現場は制度や責任分担が未整備で、実際には国・地域ごとにルールや設備水準が異なり、事業者が独自に判断して対応しているのが実情です。
また、トレーサビリティ、品質、倫理といった基本要素にも統一基準がなく、部品の状態評価や素材所有権の扱いなど、重要項目は事業者ごとにばらついています。その結果、現場では不確実性の中で手探りの実装が進められています。

今求められているのは「構造化」と「透明性」です。テクノロジーとデータを活用し、素材の由来や流通をトレースしながら、環境・経済のバランスを可視化する仕組みが不可欠です。

その基盤の上で、製造から再生・再販売までを再設計することが、持続可能な産業モデルの核心となり、レジリエンス向上にもつながります。
今後の企業競争力は、製品性能やコストだけでなく、各地域・国の状況を踏まえ、未整備な現場が抱えるリスクや地域差を見据えながら「社会と共に循環をいかに設計するか」にかかっています。

まちや社会に定着するモビリティサービスの実現に向けた異業種連携と出口戦略

多様化が進むモビリティサービスは、生活や社会の課題解決や利便性向上に寄与するテーマであり、さまざまな実証実験が行われています。一方、さまざまな問題で実証実験どまりとなるケースが散見されます。まちや社会に定着するモビリティサービスの実現には、技術視点ではなく生活者視点で、地域特性を踏まえたサービスを設計し、収益性を確保するビジネスモデルが求められます。

また、鉄道、不動産、商社、金融、エネルギー、観光、IT・テクノロジー、公共団体など、多種多様なプレイヤーが参入・連携しています。そのため、組織文化や利害関係が異なるプレイヤー間の調整には、高度なステークホルダーマネジメントに取り組まなければならず、政府や省庁、地方自治体による主導を促していくことも求められています。さらに、短期的な収益化が難しいため、参入意義、得られるアセット、地域展開なども含めた中長期的な出口戦略を明確にする必要があります。

自動車の競争領域はCASEからブランドオリジナリティ時代へ

CASEによる事業領域の拡大にともない、自動車産業にはブランドオリジナリティの明確化が求められています。既存事業の強化と新規事業の創出を両立するバランスの取れたポートフォリオと経営判断が必要です。
事業ポートフォリオ変革には、DX、カーボンニュートラル、安全で利便性の高い移動、コネクティッドではOSやAIを活用した次世代インタフェース、スマートフォンも含めたCX機能の充実などが不可欠です。
また、事業の多角化に対応するため、効率化やアイデンティティ融合を目的に、同業種・異業種との企業アライアンスやM&Aも柔軟に検討することが必要です。

インサイト

アビームの特長

  • 自動車業界内外のエキスパートの知見による企業課題への取り組み

    自動車業界におけるカーボンニュートラル、デジタル技術に関するエキスパートによる知見はもちろん、他業界のエキスパートの知見を組合せることによって、企業課題を多面的かつ広い視座で捉えて解決に取り組みます。

  • 共創型によるユーザー起点のアプローチ

    産業を横断したプレーヤーとの共創体制の構築、ユーザーや地域の課題に立脚したサービスを構想してきた知見や実績を活かし、クライアントや多様なプレーヤーと共に新たな価値を創り、構想だけでなくビジネスの実現まで導きます。

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災害・地政学リスク・人手不足などさまざまな環境・社会変化に対して、ステークホルダー・経営資源・サステナビリティ観点で重要課題の解決を目指し、製造DXやダイナミックな企業変革で企業価値向上・社会貢献をサポートします。

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