武蔵精密工業は、1938年に創業した四輪車・二輪車用のシャフトやギアなどを製造する自動車部品メーカーである。「ものづくり・ひとづくりに対する愚直さ」を原点に、自動車やバイクの市場拡大とともに、ニーズを先取りした独創的な技術を生み出してきた。電動化や自動運転などの新たな技術が登場し、グローバル競争が激化する中で、同社は持続的な成長と企業価値向上、新時代に即した技術・商品・サービスの創出を目指している。
従来、武蔵精密工業では、会議やメールだけの非効率なコミュニケーションで情報の停滞・分断が生まれ、意思決定から施策の実行までに時間がかかっていた。そこで社員が働く環境の改革により、施策の迅速な実行と生産性向上、イノベーションの創出を実現すべく、ビジネスコラボレーションツール「Slack」を導入した。
そこで目指すべきワークスタイルは、人と人、人とシステムをつなぐことで「Flat・Open・Speedyなコミュニケーション」を実現して、社員同士がモチベーションを刺激し合えるような環境だ。Slackの機能のチャットを活用することで、参加メンバーの共通話題に関するFlatな情報発信は活発に行われるようになった。しかし、Openな情報共有による組織を横断した知恵の活用や、Speedyな情報活用による効率化は十分ではなかった。
「組織横断的な知恵の活用や情報活用による効率化の実現には、社内システムの入り口をSlackにして人とシステムをつなぐ施策を加速させる必要がありました。Slackの利便性を向上させ、全社員がSlackをフルに使う環境にしなければならないと考えました」と武蔵精密工業 ITソリューション部 部長 清水佳代子氏は語る。