新型コロナウイルスの感染拡大から2年近く経過し、この間新たな変異株の流行などにより感染者の増減を繰り返しながら、人々は新型コロナウイルスに適用する形で価値観や行動様式を変化させてきた。
特に他者との接点では、親しい人とのつながりを強く意識する一方で、知らない第三者との直接的な関わりを避ける傾向になった。時間の経過とともに行動や考え方が緩和し、人が集まるようなイベント・場所は少しずつ増えてきているものの、イベント内でコミュニケーションを取るのは帯同している親しい間柄に留まるなど、既知ではない第三者が直接接点を持つことは難しい状況が続いている。
コロナ以前の生命保険の販売は、商品内容の複雑さから保険営業担当※1が対面で説明し、契約に繋げるのが主流だった。特に新規顧客との接点では、人が参集する場所での営業活動によって接点を確保してきたが、コロナ社会※2は、第三者との接点の機会を大幅に減らし、生命保険会社は伝統的な顧客獲得の在り方を見直す必要性に迫られている。そのため、コロナ社会の価値観・行動様式に合致したターゲティング、顧客接点を改めて考えなければならない。
アビームコンサルティングでは、コロナ社会に適応するための生命保険会社の顧客獲得における①ターゲティング、②顧客接点をテーマにインターネットリサーチ※3を実施した。本インサイトでは、その結果から得られる事実を踏まえて、生命保険会社の顧客獲得に向けたアクションの方向性を考察する。