古くから続くビジネス形態である農業の現状と動向から、次世代ビジネスのヒントを紐解く本シリーズの第1回では、昨今の経営においてESGが重要な経営アジェンダであることを紹介した。日本企業は、「三方よし」の精神で、SDGsなどの概念が出来上がるはるか昔から、地域や消費者を鑑み、財務的な成果とは別軸で企業活動を続けてきた。つまり、短期的な価値だけではなく、長期的な目線を持つべきという昨今の潮流は、古くから日本企業が行ってきた活動そのものであり、昨今のデジタル技術の発展と世界的優先度の向上による最先端のデータ活用によって、それらが財務的な成果や企業価値へ貢献することを「見える化」させてきた。これは、従来定量的にとらえられなかった多くの事象がデータ活用によって見える化できた試みであると考える。
第2回では、一次産業の中で特に農業にフォーカスして、農業を取り巻く昨今の傾向や課題、次世代ビジネスへの手がかりを考察する。