リクルート社が新規事業開発において、組織的な高いケイパビリティを持つことはよく知られています。その1つの要因は、新入社員の頃より「圧倒的な当事者意識」を求め、浸透させる環境を作ること、にあると考えています。新人の時から人材育成のフレームワーク(「Will:やりたいこと」、「Can:できること」、「Must:なすべきこと」により内省する)を使い、日常的な業務における期待値や自分の能力を振り返ることで、仕事の流儀を学んでいきます。特に、重要なのは、「Will」の中で常に自分の意思と与えられた仕事を結び付け、自分事にすることで、結果的に「圧倒的な当事者意識」が染みついていきます。
新規事業推進の難しさの一つは、正解がない中で意思決定を繰り返すことが求められることです。社内的には前例がなく、試行錯誤しながら進めることになります。結果、失敗や修正が必ず発生しながらも、折れずに続けていくために、強い意志が必要になります。過去のプロジェクト支援経験からも、こうした局面でも柔軟な対応ができる人は、当事者として意思決定し、行動している人だと思います。