ファンの行動、消費者反応、市場特性、施策効果、海外市場動向などを踏まえて判断するためには、データ基盤の整備だけでなく、仮説構築、シミュレーション、意思決定支援にAIを活用する視点が必要である。経験や勘を否定するのではなく、それをデータとAIで補強し、より再現性の高い判断へとつなげることが、日本IPの競争力を高めるうえで重要になる。
これらを実装していくうえで鍵となるのは、構想、意思決定、実行、運用、検証を分断しないことである。短期的な収益獲得と中長期的なブランド・ファン価値の育成は、ときに相反するが、その両立を図るには、一貫した設計と推進が不可欠である。
アビームコンサルティングは、本領域において、テクノロジー起点の高度化支援と、構想から実装・定着までを見据えたハンズオン型支援の両面に強みを有している。データ・AI活用構想の策定、意思決定基盤の整備、部門横断の体制設計、施策実装に向けた推進支援などを通じて、IP価値最大化に向けたマネジメント高度化を支援していく。
とりわけアジア市場への展開支援においては、AIによる各国の消費者ペルソナのデジタルツイン化(各国の消費者像をAIで再現する手法)を推進している。構築したペルソナに対し、マーケティング施策を仮想的に実行した場合のイベント来場者やグッズ売上などをシミュレーションすることで、意思決定を支援するアプローチである。当社の現地法人で収集する“生の消費者データ”を活かした精度の高いペルソナを構築できる点が特徴であり、実際の販売データを継続的に反映することで、ペルソナの精度向上=シミュレーション精度の向上を実現する仕組みである。
日本が世界的なIP大国であり続けるためには、これまで培ってきた「創る力」を土台としながら、それを継続的な事業価値へとつなげる「判断する力」「動かす力」を強化していくことが不可欠である。今後も日本のIP業界構造の進化と持続的な価値創出の実現に向けて、構想から実装・定着まで一貫した支援を通じて貢献していきたい。