アビームコンサルティングは、日本企業のM&Aへの取り組み実態と企業価値向上の相関性を明らかにするため、M&A関連業務経験を有する経営層から主任・係長職までの300名を対象に調査を実施しました。
調査背景
近年、日本企業によるM&Aは拡大傾向にあり、その動きは加速しています。企業は「選択と集中」の方針のもと、非中核事業を売却し経営資源を再配分する一方で、サプライチェーン強化や新規事業創出を目的に、成長領域における買収にも積極的に取り組んでいます。国内市場の成熟や人口減少など構造的制約を背景に、M&Aは非連続な成長を実現するための重要な経営手段となっています。
一方で、統合効果が一時的な成果にとどまり、想定していた企業価値の向上につながらないケースや、統合を終えてもグループ全体としてのシナジーが十分に発揮されないケースなど、統合後の経営に課題を抱える企業も少なくありません。M&Aを真の成長ドライバーとするためには、単なる買収の実行にとどまらず、統合後の経営変革をいかに実現するかが成否を分ける重要な要素となります。
こうした状況を踏まえ、本調査ではPMIを起点とした経営変革に焦点を当て、M&Aの成否を左右する要因や、企業価値向上に向けた具体的な取り組みの実態を明らかにすることを目的としました。