近年、睡眠不足が労働生産性の低下に大きく影響していることが明らかになっている。特に日本においては、平均睡眠時間がOECD(経済協力開発機構)への加盟国中最下位という結果も出ており、労働生産性が低迷している。昨今、人材への投資を通じて企業価値を高める人的資本経営の重要性が高まっているが、その中でも特に睡眠時間の確保という観点から従業員の健康管理・投資に注力することが、労働生産性の向上に直結するとも考えられている。
本インサイトでは、アビームコンサルティングとNTT PARAVITA社による、スリープテックを活用して従業員の睡眠改善効果と企業における経済的効果を具体的なデータで可視化した共同実証実験の結果を通じて、その有用性について述べる。企業の経営層や人的資本経営の推進担当者、健康推進担当者に向けて、睡眠負債の改善を通じた従業員のパフォーマンス向上施策と企業の経済的価値向上を結び付ける方法について解説する。