大阪市役所:
行政手続きのオンライン化に向けた調査・検討業務

行政手続きのオンライン化にあたっての推進計画の策定、電子申請システムの仕様検討などを支援

大阪市では、市民サービス水準の向上、ならびに業務の効率化を図るため、全ての行政手続きをオンライン化対象と位置付け、新たな電子申請システムを導入し運用している。行政手続きのオンライン化にあたって、アビームコンサルティングは、個人向け・法人向けを含む全ての行政手続きの棚卸調査を実施し、各手続きのオンライン化方針の検討、電子申請システム機能の検討、海外事例を含む外部動向調査、推進計画の策定支援などを実施した。この推進計画をもとに、大阪市では、「大阪市ICT戦略アクションプラン(2018~2020年度)」として、行政手続きオンライン化の取組みを推進しており、2020年8月に「大阪市行政オンラインシステム」の運用を開始している。

プロジェクトの背景

近年、スマートフォンの利用を前提としたサービスの拡大など、いつでもどこでも様々なサービスが受けられる環境が整備されてきている。当時の国の動向としても、「官民データ活用推進基本法」において、行政手続きに関するオンライン利用の原則化が定められるなど、行政手続きオンライン化の機運が高まっていた。大阪市としても、従来の行政サービスに加えて、「リモートでの行政サービス」が必要と考え、新たな電子申請システム導入も見据えた構想の策定が求められていた。

推進する上での課題

当初より、「市民が来なくてもよい窓口」を志向するなど、目指す方向性は明確であったが、各手続きの特性、法制度や技術面での制約などによって、どの手続きが現時点でオンライン化できるのか(できない場合は何を解消する必要があるか)が明確ではなかった。そのため、最終的にすべての行政手続きをオンライン化するとした場合に、どのような実現段階(ステップ)を設定するか、どの手続きからオンライン化していくべきか、各ステップを進めていくためには何を解決すべきなのかなどを整理する必要があった。

課題解決のソリューション

まず、「大阪市が目指す行政手続きオンライン化(行政サービスとして目指す将来像)」をイメージ化し、本プロジェクトが目指すゴールを明確化した。将来像のイメージ化にあたっては、海外の先行事例に関する現地調査、マイナポータルの機能の調査、最新の技術動向などを踏まえ、数年後に稼働を見込むシステムにとって最適なイメージを作り上げた。また、行政手続きの特性調査(棚卸)にあたっても、アビームコンサルティングの調査・分析手法を活用し、オンライン化の実現段階(ステップ)の検討や、解決すべき制約の分析に資する調査項目の設定を行い、3,000以上の手続きを効率的・効果的に分析することにより、着実に推進計画策定まで完遂させることができた。

導入効果と今後の展望

本業務で検討したシステムの要件や策定した計画をもとに、翌年度以降のシステム調達・構築を進め、2020年8月に「大阪市行政オンラインシステム」の稼働を実現している。今後も継続してシステムのサービス拡充を行うとともに、業務改革を推進していく予定である。

大阪市行政オンラインシステムの画面イメージ

大阪市行政オンラインシステムの画面イメージ
  • ※当画面は別事業者にて構築

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