大和リビング株式会社

人口交流活性化と再生可能エネルギー供給網の構築支援 ~賃貸住宅事業からの地方創生の実現~
事例
  • GX
  • 新規事業開発

大和リビング株式会社(以下、大和リビング)の未来のあるべき姿を共に描き、それを実現する一つのテーマとして、地方創生施策を推進。地方における労働者不足や空き家問題の社会課題に対し、自治体連携の上、特定技能を有する外国人労働者を誘致、人口交流を促進し、地方活性化を図った。
また、脱炭素に向けた地域社会貢献として、再生可能エネルギー供給事業を産官学連携にて佐賀県で実施。シンガポールやイスラエルスタートアップの最先端技術の探索と導入評価、新たな電力供給の特許出願など従来の不動産管理業を超えた枠組みでの活動、全国のアセット(集合住宅)を活用する形で佐賀県からのスケールを図り実証実験を推進中。双方合わせた事業をワンプロジェクトで推進し、新規事業創造に貢献している。

経営/事業上の課題

  • 全社的なDX戦略の検討・戦略的な事業成長及びその実現施策立案
  • 全社戦略に沿った事業案の検討
  • 事業案から実行までの取り組み

課題解決に向けたアビームの支援概要

  • 将来像の定義と戦略テーマ決定の支援
  • 事業変革に向けた取り組みアイデアの創発と施策立案支援
  • 事業具体化のための実証実験準備支援

支援の成果

  • 地方創生におけるあるべき姿を伴走型で描き、バックキャストで各種施策のロードマップを作成、具体的に施策を推進する基盤を構築
  • 地方自治体施策への組み込み、各住戸に向けた電力供給方法確立(大和リビングと共に特許出願中)、海外の先端技術実装評価を支援
  • 空室への外国人誘致による人口増と再エネ供給事業による地域の価値向上、産官学で未来を見据えた社会課題解決を実現、地域住人の行動変容の促進

クライアント課題の難所

地方創生を推進するための具体的な施策立案

大和リビングでは、人の暮らしや社会との「共創共生」に向けて、賃貸住宅の管理・運営業という枠組みを超え、企業変革を鑑みながら地方創生を実現したいという想いを持っていたが、既存(管理業務)の延長では変革要素がなく、グループ全体の売上を確保する意味でも新たな事業チャレンジが必要な局面にいた。
また、事業アイデアは出るものの実行に向けた具体化や推進体制を構築できず、地方創生に向けた共創に必要な自治体とのリレーションシップも支店/営業所と本社でシームレスなつながりを持ちづらい構図であった。
全国約65万戸(2024年3月現在)と国内トップグループに入るほどのアセット数を活かしつつ、他社との差別化を図りながら、自治体とも協同して地方創生に寄与できる施策を実現していく具体的なノウハウ・正攻法を模索していた。
そこで、アビームコンサルティングにアイデアの具体化及び事業立ち上げに向けた伴走支援を期待し、2022年10月から地方創生プロジェクトを立ち上げた。

地方創生を推進するため具体的な施策立案

プロジェクトの重要成功要因

地方創生施策案の事業化とステークホルダーの巻き込み

「『くらし』のサービスを踏まえ、『まち』を支えるために社会課題を解決する循環を作る」という大和リビングのあるべき姿を共に描き、その実現に向けた地方創生施策として「人口交流活性化」と「再生可能エネルギー供給P/F構築」の2テーマで取り組みの具体化をスタートした。

【地域人口交流活性化】
地域人口交流活性化の取り組みは大和リビングの現事業の推進を行いながら事業立ち上げに向けた取り組みを推進するのは難しいため、アビームコンサルティングのリードのもと、市区町村レベルの課題/自治体の狙いを整理し、地方創生に向けた大和リビングの持つアセットを活用した施策を検討。自治体や協力企業との打ち合わせを重ね、特定技能外国人を日本に誘致し、空室に入居いただくビジネスモデルを考案した。この施策実行により、地域産業の活性化も図ることができ、地方創生の一助となった。

地方創生施策案の事業化とステークホルダーの巻き込み(地域人口交流活性化)

【再生可能エネルギー供給網構築】
安心な電力を安定的に地域住民へ供給することを目的に、アビームコンサルティングの電気分野の技術的知見やGX領域におけるビジネスの知見を活かして、大和リビングが管理する物件で「卒FIT(太陽光発電の固定価格買取期間満了)」を迎えた太陽光パネルを入居者に供給するための技術課題解決策を検討し、佐賀県内で2024年度に実証実験を開始することができた。また、スタートアップの最新技術により、従来よりも短期間での施工や、荷重制限により設置できなかった屋根へのパネル利用など、事業を実施する上での選択肢も検討している。

アイデアから事業化に向けた多角的な視点での提案(再生可能エネルギー供給網構築)

アビームの貢献

アイデアから事業化に向けた多角的な視点での提案力

地方創生施策案のアイデアが大和リビング社内に点在し、実現までの道のりが不明瞭になってしまうことに対し、アビームコンサルティングが地方創生におけるあるべき姿を伴走型で描き、バックキャストで各種施策の連鎖により大和リビングのあるべき姿につながる道筋を考案した。新規事業構想だけでなく、地方自治体施策への組み込み、各住戸に向けた電力供給方法確立、海外の先端技術実装評価を支援。空室への外国人誘致による人口増と再エネ供給事業による地域の価値を向上させながら、産官学で未来を見据えた社会課題解決の実現させた。
大和リビングからは「コンサルティングサービスの域を超えた専門知識集団における実務実装」と評価いただき、佐賀県での本取り組みにおけるプレスリリースをアビームコンサルティングより発信した。さらに、海外スタートアップ技術の探索から実導入、各地方に赴き自治体の地方創生担当と人口減に対する打ち手の討議、対象地域への労働者誘致、事業の運用に至るまでの支援で、ワンストップかつ多彩な人材と人的ネットワークを活かした施策を打ち出した。

事業構想から事業立ち上げに向け必要な経験/知見

この度、弊社はアビームコンサルティングの皆さまから多大なるご支援を受け、地域の交流人口活性化と再生可能エネルギー供給網の構築に取り組んでまいりました。具体的な施策立案から事業化に至るまで、多角的な視点でのご提案をいただき、弊社の地方創生推進に大きな一歩を踏み出すことができました。特に、サポートくださったスタッフの皆さまには、専門的な知識と豊富な経験を活かしたご指導とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
皆さまのご尽力により、私たちは地域の発展と持続可能な未来の実現に向けて、確かな基盤を築くことができました。今後もこの成果を活かし、さらなる発展を目指して全力を尽くしてまいります。

大和リビング
代表取締役社長
匝瑳 繁夫氏

Customer Profile

会社名
大和リビング株式会社
所在地
東京都新宿区西新宿6丁目11番3号
設立
1989年10月26日
事業内容
賃貸住宅、賃貸マンション管理・運営事業 アコモデーション事業 海外事業 保険代理店事業 など
資本金
1億円

2024年11月7日

専門コンサルタント

  • 橘 知志

    Principal

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