従来型組織体制で構築されていた個別最適の利点を活かしながら、横断的なPSIのKPI指標導入で全体最適を実現。地方都市にSCM部門を新設し、転勤を伴わないリモート参画のニーズに応え、本社との効率的な業務連携体制を構築。
従来型組織体制で構築されていた個別最適の利点を活かしながら、横断的なPSIのKPI指標導入で全体最適を実現。地方都市にSCM部門を新設し、転勤を伴わないリモート参画のニーズに応え、本社との効率的な業務連携体制を構築。
Customer Profile
経営/事業上の課題
課題解決に向けたアビームの支援概要
支援の成果
クライアントの希望は、各事業部で実現していた個別最適の長所を残しつつ、全社における全体最適の実現だった。
クライアントの各事業部は従来それぞれ緻密なPSI管理、高度な技術で顧客ニーズにあった多品種少量生産対応を実現していた。しかし、各事業部が共有使用する倉庫管理においては“保管スペース不足”やそれに伴う“高負荷な納期調整業務”といった問題を生じさせていた。
また、営業部では在庫不足による販売機会損失を防ぎたい一方で、生産部には在庫抑制が課せられ、トレードオフとなるそれぞれのKPI指標もクライアントの全体最適実現の障壁となっていた。
これらを解消すべく利害関係者の仲介役となるSCM部門の新規立上げに臨んだ。この新設部門を地方都市に設置することで、転勤を伴わないリモート参画という社員のニーズに応え、本社との効率的な業務連携体制を構築した。
アビームコンサルティングが蓄積したノウハウや他社事例、外部資料から課題仮説を事前作成し、それをもとにクライアント7部門に2週間でヒアリングを実施。クライアント自らが課題を発見し、業務改善のスキームを検討することを重要視し、徹底したサポートを実施。「目的・方向性検討、課題発見、施策検討、施策実行」の4ステップにおいて10種類のタスクに共に取り組んだ。
プロジェクトを円滑に推進するため、以下の3点に注力した。
プロジェクトの必要性を3週間で取りまとめ、クライアントトップマネジメントに説明し巻き込んだ。
プロジェクトの要所要所で現状課題と施策効果を示すための定量分析実施し、クライアントと認識共有を図った。
現場の協力を得やすいように、現状の製販プロセスに新規KPIを導入するスモールスタートアプローチを採用するなど、現場と一体感を持って取り組んだ。
アビームコンサルティングが体系化・蓄積している他社SCM改革支援事例やナレッジを活用しながら、複数のKPIにより多角的にクライアントの現状の問題点を洗い出し、課題を可視化した。そして、トレードオフを加味した全体最適目線のグレード別在庫基準ロジックを策定し、11分類23項のKPIを定義した。KPIをクライアント自ら運用するため、分析の流れを整理しマニュアルにまとめ、導入後を見据えたフォローを行った。
また、IT導入により、定量的KPIデータ収集・一元管理化を行い、個別最適で属人化していた在庫管理体制の標準化と製品横断で在庫キャパシティ情報を管理できる体制を構築し、売り逃し・倉替えコストの削減を実現した。
2022年7月29日
原田 健志
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