2018年8月の本稼働を控えた7月最後の報告で、アビームコンサルティングは運用開始後の残存課題と運用体制の強化を提案した。それを受けて、アプラスは運用体制を強化し、8月に期日通り基幹システムをカットオーバーすることができた。「現在、システムは順調に稼働していますが、大規模な開発だったので、リリース後のシステム停止などのリスクもありました。そうすると、お客様に大変な迷惑をかけてしまうことになりますが、第三者評価をきちんと実施したことで、そうした問題も起こらず、本当によかったです」(畝森氏)。
新しいクレジットカード事業用基幹システムは、24時間365日稼働で、新しいサービスへの柔軟な対応が可能になり、ポイント管理なども細かく行えるようになった。またセキュリティの高度化と若手メンバーが入って、Linuxマシンで開発を行うことで、技術の継承も実現された。その上で、さらなる合理化、運用効率の向上のための基盤ができあがったことで、新たなカードビジネスを展開するスタートラインに立つことができた。
「今後、投資規模が大きく、会社の経営に影響するシステム開発ではプロジェクトの第三者評価を取り入れていく考えです。一方で、そこまで規模が大きくないシステムは社内のリスク管理室で品質管理と予算、スケジュールについてチェックしていきます」(村上氏)。
現在、アプラスでは一部システムがレガシーのまま運用されている。今回の成果の上に、アプラスでは大規模になるシステムの刷新プロジェクトでも第三者評価を取り入れ、投資の適正化と開発品質の向上を図っていく計画だ。