2014年4月、じぶん銀行はCRMプロジェクトを開始し、アビームはスマートフォンを中心としたユーザー・エクスペリエンス(UX)の確立、情報系システムの拡張支援のために参画。6月からは顧客優遇制度の検討支援をスタートさせ、7月以降は関連施策を統合して、経営戦略部・マーケティング部における構想策定から要件定義、業務設計などのCRM施策全体の高度化支援業務を始めた。「実際にプロジェクトが始まってみると、コンペで評価したとおりで、私たちの期待に違わない仕事ぶりでした。プロジェクトの節目ごとの報告は当然ですが、例えば経営から投げかけられた問題にも、おうむ返しに単純な解答を返すだけではなくて、行内を走り回って、密度の濃い適切な情報を足で稼いで、実務面でも影響が出ないような解決策を提示してくれました。加えて助かったのは、資料の作成です。通常は、全容の7割から8割程度を説明して初めて期待に沿うものが出てくるケースがほとんどですが、アビームは2割から3割程度説明するだけで、非常に精度の高い資料を提示してくれるのです。タイトなスケジュールの中、目指すべき方向を経営陣に説明、説得するための大きな力になりました」と、井上大輔氏は語る。
ネット専業銀行という特性上、じぶん銀行の事業展開、施策実行スピードは非常に速い。普通の銀行のおよそ3割から5割増しといったところだろうか。当然ながら、本プロジェクトもスピード感を持った実現が欠かせない。「大きな判断が伴う時間を要する場面でも、アビームは先回りしてその枠組みを作り、マイルストーンを明確に提示してくれました。当行の担当スタッフが少ないため、複数案件を同時並行で議論しなければならない時でも、適材適所でその職域やレイヤーに合致した内容で議論をファシリテートしてくれるので、とても心強かったです。当初はコンサルタントと行員という接し方でしたが、次第に当行の行員同士のような関係で率直に議論できるようになっていきました」と、じぶん銀行 マーケティング部長兼Web企画部部長の井上 直樹氏は振り返る。