新興市場が今もなお大きな成長を見せる中、新興国での競争優位はグローバル企業にとって重要課題である。日本電気(NEC)ではグローバル市場での競争に勝ち抜くため、グループ一体での経営改革を進めてきた。そのひとつが、業務プロセス改革・ITシステム改革に取り組んだG1(グローバルワン)プロジェクトである。まず本社で2008年から2010年にG1が展開され、大きな成果を得た。
次いで国内および海外拠点にロールアウトされ、すでに国内外47社に展開済みだ。今回紹介するのは、経営戦略上でも重要な地域であるブラジル中南米地域統括法人への展開である。ブラジルには世界一複雑といわれる税法要件がある。NECグループ全体最適のため、いかに地域固有要件とグローバル標準を融合し、業務プロセス改革を実現させるかが大きな課題であった。