JFEスチール株式会社

JFEスチール株式会社

Customer Profile

会社名 JFEスチール株式会社
所在地 東京都千代田区内幸町二丁目2番3号
設立 2003年4月1日
事業内容 高炉を所有し、鉄鉱石を原料に最終製品の生産までを一貫して行う。鉄鋼製品、半製品、チタン製品、鋼材加工製品、化学製品、素形材製品等の生産。

※会社名、肩書き、役職等は取材時のものです。

グループ約80社へ新財務会計システムを一気に展開。
国内外の激変する経営環境の中で継続的なビジネス成長を支える経営基盤構築に大きく貢献。

世界有数の鉄鋼メーカーであるJFEスチールは、長年グループ共通の経理システムとして国産の中堅企業向けパッケージを使用してきた。しかし、システム基盤が老朽化する中で、将来的な国際財務報告基準(IFRS)への対応、業務の簡素化や効率化を実現するためには、IT基盤の見直しとシステムの全面刷新が必要と判断。
2016年6月、一般会計にSAP S/4HANA®の採用を決定した。固定資産システム導入も含めたプロジェクトは、2年間の短期間でグループ会社約80社の共通経理システムの展開を完了、システムは順調に稼動している。

プロジェクト概要

導入前の課題

  • 既存の経理システムは国産中堅企業向けパッケージのため、IFRS 対応が困難
  • アドオン・カスタマイズが多くシステムが複雑化しており、抜本的な刷新が必要
  • データを柔軟に利活用できる仕組みになく経理スタッフへ業務負荷がかかっていた

ABeam Solution

  • パッケージ特性と標準機能をフルに生かし、機能改変と追加開発を最小化
  • 大規模プロジェクトの経験にもとづく、プロジェクト管理と進捗管理メソッドの適用

導入後の効果

  • JFEスチール本体とグループ会社約80社への導入を計画通り2年で完了
  • 四半期決算、年度決算の発表も従来と同じスケジュールで実施
  • ERP導入の大規模プロジェクトとして、今後の脱ホスト化のモデルとなる

Story

中井 水奈子 氏

アビームコンサルティングのメンバーは、能力が高く、誠実で人間的にも魅力あふれる方々で、プロジェクト期間中のハードな日々も楽しく過ごせました。これからも一緒にシステム刷新や業務改革に取り組んでいきたいと思います

 

JFEスチール株式会社
経理部経理室
主任部員(課長)(当時)
中井 水奈子 氏

Story

プロジェクトの背景

IFRS対応や業務効率化のため、グループ共通利用の経理システム刷新を決定

 JFEスチール株式会社(以下、JFEスチール)は、2003年に日本鋼管と川崎製鉄が経営統合して発足した日本を代表する鉄鋼企業だ。「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」との企業理念のもと、産業社会を支える基礎素材である鉄鋼製品の製造企業として、広く社会の発展に貢献している。2018年度から始まる第6次中期経営計画では、長期ビジョン「常に新たな価値を創造し、お客様とともに成長するグローバル鉄鋼サプライヤー」を実現するために、製造基盤整備に必要な設備投資の実施や製造の安定化、収益向上に貢献する技術開発の推進、JFEブランドの浸透・拡大、技術力の継承と人材育成の4つの重点課題に取り組んでいる。

 それを支えるために、JFEスチールではIT基盤の再構築を進めてきたが、大きな課題となっていたのがグループ会社共通で利用していた経理システム(J-FACE)の老朽化だ。「J-FACEは2003年の経営統合の時期から使っていたのですが、老朽化したシステム基盤上に中堅企業向けの国産パッケージで構築されており、IFRS対応が極めて難しい状況でした」とJFEスチール IT改革推進部 主任部員(課長)田村祐子氏は語る。

 また、パッケージの機能不足を補うためのアドオン・カスタマイズが多く、システムが複雑化していて、サポート切れを控えた状況の中、抜本的なシステムの刷新が求められていた。「実務側から見ると、例えばデータベースの項目を絞り込んで抽出しようとした時に、何度も条件を変えて抽出した後に、Excelで加工しなければなりませんでした。そこでより柔軟性が高いシステムにしたいという要望もありました」とJFEスチール経理部経理室 主任部員(課長)中井水奈子氏は説明する。

 さらに経理システムはグループ約80社が共通で使っているため、JFEスチール単体だけ刷新するわけにはいかず、グループ会社のニーズも取り込んだ上で、全体で切り替えていく必要があった。

 

 

田村 祐子 氏

今回、ドキュメントを体系化して作成してもらいました。それを引き継ぎながらやっていけるのは、とてもありがたいです。今後もJFE スチールの取り組みへ、ご支援よろしくお願いします

 

JFEスチール株式会社
IT改革推進部
主任部員(課長)
田村 祐子 氏

Story

アビームコンサルティングの選定理由

プロジェクト管理を全面に出した提案を評価、計画通りの導入が可能と判断

 J-FACEは一般会計と補助元帳である固定資産会計がひとつのシステムで運用されており、特に複雑な処理を必要とする固定資産会計のシステムには現場のニーズに応えきれないという問題があった。そこで、JFEスチールでは固定資産会計について、プロシップの固定資産システム「ProPlus」を導入することにした。その上で、一般会計は固定資産システムとのデータのやり取りやシステムの維持管理のスムーズさに加えて、将来的な業務改革や制度変更に対応できる柔軟性と、大量のデータを高速で処理できるシステム基盤であることを要件にした。「会計処理は毎月末締めで翌月月初から作業を始め、6営業日ですべての処理を完了させます。3月の年度末決算もゴールデンウィーク前の4月末には公表します。その実現には、固定資産会計の完了データを取り込んで高速で処理しなければならず、データ処理能力の高さも非常に重要でした」(中井氏)

 プロジェクトは2016年4月から開始し、1年後の17年4月にはJFEホールディングス、及び、JFEスチール本体で稼動開始、2年後の18年2月までにはグループ会社80社への展開を完了させるという厳しい条件のものだった。そこでJFEスチールでは導入体制を検討し、プロジェクトを計画通り進めることが可能なパートナーとして、「SAP S/4HANA®」を提案したアビームコンサルティングを選んだ。「アビームコンサルティングの提案は、アビームメソッドという独自の手法にもとづいてプロジェクトの進捗管理や課題管理を行うという、プロジェクト管理のメソッドを前面に打ち出していました。得てして、プロジェクトで実務部門を巻き込むのはユーザー企業の仕事となりがちです。しかし、アビームコンサルティングであれば、JFEスチールの立場に立って、JFEスチールと同じ視点で関係部門の巻き込みに積極的に取り組んでくれると判断しました」(田村氏)。「とても難しいプロジェクトだというのは、皆よく分かっていました。その中で、アビームコンサルティングがJFEシステムズ社のプロジェクトマネージャー(以下PM)と相談し、提案してくれたプロジェクトの実現方法は、説明の仕方や内容に無理がありませんでした。何社もの導入経験に裏打ちされていることを感じさせ、私たちが不安に思う内容もなく、納得できるものでした」(中井氏)

Story

プロジェクトの目標と課題の解決策

プロジェクト構成の4社との円滑なコミュニケーションで課題を解決

 プロジェクトでは現状の課題を解決すると同時に、国内外の大手企業で広く利用されているSAPの標準機能を活用することで、導入費用の削減と開発期間の短縮を目指した。パッケージの標準機能を最大限利用し、導入に適した方法論を活用、追加開発を抑制する変更管理の適用で、機能改変及び追加開発を最小化するアプローチを採用したのだ。

 導入システムはSAP S/4HANA®とProPlusのマルチプロダクト構成で、周辺システムはそのまま残るため、その連携が最大の課題だった。マルチプロダクトのため、プロジェクト参加企業もJFEスチールとJFEシステムズ、アビームコンサルティング、そしてプロシップと4社構成になり、相互にコミュニケーションをとりながら、円滑に進めていくことが求められた。

 「プロジェクトマネージメント体制としてJFEスチール実務部門とIT改革推進部で1名ずつ、JFEシステムズ社PMとアビームコンサルティングPMの計4名で体制構築し、相手の立場を深く理解しつつ、コミュニケーションを円滑に進められた事が大きな成功要因だったと考えています。その中で、アビームコンサルティングのPMは、プロジェクト管理全般に関する知見に裏打ちされたアビームコンサルティングのルールを生かしながら、独自のやり方も加味して、人間的で誠実にプロジェクトを進めてくれました。アビームコンサルティングのメンバーだけでなく、プロジェクトを構成する4社と密にコミュニケーションを図り、プロジェクトを進めてくれたことに感謝しています」(田村氏)

 また、導入が進む中で、アビームコンサルティングは導入フェーズに応じて、最適なスタッフを配置した。フェーズ特性に応じて、会計士の資格を持つ社員やSAPを使って経理業務を行っていた経験を持つ社員もプロジェクトに加わった。「グループ会社から業務に関する質問が来ることもあり、私が答えられるものには答えるのですが、繁忙期と重なりなかなか対応しきれません。そうした時に絶妙なタイミングで適切な回答をしてもらえたので、とても助かりました。アビームコンサルティングのスタッフは皆、自分のタスクを強く意識して仕事をしていて、私がやらなければならないことについても、棚卸しも含めてきちんとコントロールしてもらいました。こうした形のサポートがなかったら、プロジェクトは計画通り終わらなかったかもしれません」(中井氏)

 さらに、業務部門では一般会計の入力画面も変わるので、短い期間の内にプロジェクトに関わっていない本社経理部門の社員や各製鉄所の経理担当にも変更を伝え、慣れてもらう必要があった。特に17年4月のJFEホールディングス、及び、JFEスチール本体の切り替え前の2月頃からはコミュニケーションを密にして、入力を試してもらいながら、新しいシステムを前提にした業務マニュアルの見直しなどを各部門で行い、切り替えを進めていった。

 

プロジェクトのねらい

Story

導入効果と今後の展望

大規模プロジェクト推進能力を獲得、脱ホスト化に向けた大きな一歩を踏み出す

 プロジェクトは順調に進み、予定通り2017年4月にはJFEホールディングス、及び、JFEスチール本体の一般会計システム、固定資産会計システムが本番稼動。グループ会社約80社への展開も計画通り進み、2018年2月にはグループ会社約80社でも新しい経理システムが稼動を開始した。新しいシステムが計画通り稼動したことで、IFRSへの対応、サーバー更新、ソフトウエア更新期限にも間に合い、当初の目的は予定通り達成することができた。「一般に、プロジェクトはQCD(品質・コスト・納期)のすべてが計画通り達成できることは少ないのですが、今回は全て満足のいく形で完了させることができました。JFEスチールでは大規模プロジェクトでERPを導入するのは初めての試みだったのですが、そこで成功事例を作り出すことができたことは大きな成果です。今回の経験を通して、JFEグループとして大規模プロジェクトを推進するノウハウを獲得することができました」(田村氏)

 実務側からは、2017年4月の稼動以来、第1四半期、第2四半期、第3四半期と旧経理システムと同じスケジュールで決算業務を行うことができていることが最も評価されている。「一番気になっていたのは今までと同じスケジュールで四半期決算を完了することができるかどうかでした。細かな部分で課題はあったとしても、全体のスケジュールは今までと同じで、遅れることはありませんでしたので、大変よかったと思います」(中井氏)

 JFEスチールでは今回の会計システムを出発点に、他の領域でもERPの導入を進めていく計画である。ホストを使ったシステムがなお多数稼動しているので、全般的な脱ホスト化を進めると共に、業務の見直しによる改革も進めていく考えだ。その挑戦に向けて、システム構築と業務改革の両面でサポートするアビームコンサルティングへの期待が高まっている。

専門コンサルタント

赤石 朗

専門分野

・ERPを活用したグローバル経営基盤構築
・保守運用・業務改善
・SCM(サプライチェーンマネジメント)
・グローバル プロジェクト マネジメント

実施プロジェクト

・日系大手消費財/ハイテクメーカーのグローバル経営
 基盤構築から保守運用
・電力各社における間接部門業務効率化
・外資系アパレル・フットウェアーメーカーのSCM
 構築・改善

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矢野 智一

専門分野

・会計業務
・経営情報
・ERP活用

実施プロジェクト

・ERP活用によるグループ業務/システム標準化
 (化学品メーカー)
・会計システム活用促進/合併によるシステム統合
 支援(金融会社)
・経理業務標準化 構想策定(電気通信業)

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