ガバナンス

ビジネスを取り巻く環境は大きく変化し、事業遂行上のリスクは、多様化かつ複雑化しています。アビームコンサルティングは、クライアントの企業変革を支える総合コンサルティングファームとして、健全かつ適法、公正な企業運営の遂行と、持続的な成長を支える経営基盤強化に向けて、コーポレートガバナンス体制の強化と、エンタープライズリスクマネジメントの強化に取り組んでいます。

コーポレートガバナンス・エンタープライズリスクマネジメント強化

近年、企業のデジタルシフトは急速に進み、クライアントに提供するサービスにおいても、先端的IT技術の利活用や導入事例が急増しています。また、変革を支援していくためのプロジェクト推進体制も多様化しています。

今後、新たな価値共創をさまざまなステークホルダーと共に実現していくためには、これまで以上にクライアントの機密情報に触れる機会が増加するだけでなく、ビジネスを取り巻く環境変化により、事業遂行上のリスク自体も多様化かつ複雑化していくことが想定されます。

こうした状況下において、当社グループの持続的な成長と一層の企業価値向上を図るため、グループ経営における健全・公正かつ迅速な意思決定とプロセス推進を行う仕組みの構築・強化を推進しています。引き続き、事業遂行上のリスクを特定し、リスクごとの対応方針を明確化するとともに、より一層盤石なガバンス体制を構築し、リスクに対する感度の引き上げや意識改革に積極的に取り組んでいきます。

現行では、5名の取締役で構成される取締役会を原則月次開催し、経営上の重要な意思決定と事業執行状況の監督を行っています。また、同様に月次開催される経営委員会では、事業執行に関わる重要な検討・協議と意思決定、取締役会付議事項の審議を実施しています。これらに対し、3名の監査役が取締役の業務執行状況の監査を行うとともに、その内容を相互に確認し、当社の業務執行の適正性・健全性を検証しているほかに当社内の各組織を監査することにより、内部統制の有効性および自社システムの安全性・有効性、情報セキュリティの運用状況などを確認・検証しています。

企業経営の社会性・透明性の向上に向けた取り組み

情報セキュリティ

当社は、情報セキュリティリスクの軽減に向けた取り組みの一環として、プライバシーマークを取得し、個人情報保護のための全社的な取り組みを推進しています。

また、各ビジネスユニットでは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を個別に取得し、情報資産やリスクを適切に管理するための体制を構築することで、継続的かつ確実な情報セキュリティ対策に取り組んでいます。コンプライアンス経営を実践する上で、情報セキュリティリスクを可能な限り軽減かつ極小化する取り組みを継続し、クライアントをはじめとするステークホルダーからの信頼の獲得・維持・向上に努めています。

アビーム統制規範

「アジア発のグローバルコンサルティングファームとしてクライアントの真のパートナーであり続けること」というビジョン実現と遵法経営を推進するため、2005年10月に「アビーム統制規範」を制定しました。本規範により、社員一人一人に対して「自らが常に企業の社会的責任を全うすることにより、当社グループの企業価値向上につながる」という意識の定着を図っています。

当社グループの拠点は世界各国に広がり、人種、国籍、宗教など多様なバックボーンを持つ人材が在籍しています。また、クライアントも、国内外で事業を展開するグローバルな日本企業や、海外に拠点を持つ外国企業などさまざまです。こうしたビジネス環境においてコンサルティングサービスを展開する当社だからこそ、全てのステークホルダーの価値観と多様性を尊重し、グローバル視点に根ざしたコンプライアンス経営を徹底することが重要だと考えています。

当社グループでは、本規範において、全ての役員および社員が、人権を理解し、人権尊重を前提とした企業活動に取り組むこと、そして、「世界人権宣言」をはじめとする人権に関する国際的な基準を理解し、いかなる差別行為、個人の尊厳を損なう行為を許さず、また、これらの行為を行ってはいけない、という基本姿勢を明確に示しています。また、本規範を記した冊子を作成して当社グループの全社員に配付し、社内ポータル上で常に閲覧できる状態にすること、さらには毎年全社員がコンプライアンス教育を受講することで、当社のコンプライアンス経営の基盤となる本規範の理解および実践の促進に努めています。

内部通報制度

内部通報制度運用規程を定め、倫理・法令遵守を推進するために内部通報窓口(ヘルプライン)を設置しています。ヘルプラインには、当社グループの役員・社員などに加え、退職後1年以内の元役員および元社員なども通報することができます。

また、内部通報は匿名でも受け付けているほか、第三者機関を通じた通報も可能とするなど通報者がより制度を利用しやすい環境を整えています。なお、当該規程では、会社および社員などは、通報者および調査協力者に対し、通報、相談または通報内容に関する調査の実施を理由とした不利益な取り扱いまたは報復行為を行ってはならないこと並びに通報内容の調査担当者は、通報者と調査協力者を識別できる情報、通報・調査の内容を秘密情報として厳重に取り扱い、他に一切開示または提供してはならない義務を負うことを定めています。

こうした運用により、社内規程や法令遵守などに関し、組織的または個人による不正・違法・反倫理的行為などの違法行為などがあった場合、その事実を速やかに認識することで当社グループのコンプライアンスリスクの極小化に努めています。

コンプライアンス意識調査

2020年より毎年、全ての役員および社員を対象と した社内コンプライアンス意識調査を実施しています。これは、全ての役員および社員が、当社のコンプライアンス推進活動における課題、自らの日々の業務活動を通じたコン プライアンスの実践状況、潜在的コンプライ アンスリスクなどについて、どのように認識し考えているの かをアンケートを通じて把握することで、当社におけるコ ンプライアンス推進活動の改善につなげていくことを目的 としています。