茨城県災害対応訓練における
Emergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)の
実証実験を実施

 アビームコンサルティング株式会社は、防災・減災分野においてスマートフォンや人工知能(AI)を積極的に活用することで、災害対応能力の高い社会を構築することを目的とし、7月5日(金)に茨城県で実施された災害対応訓練(訓練名:令和元年度茨城県風水害対応訓練)を通じて、Emergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)(以下、本プラットフォーム)の実証実験を実施しました。本災害対応訓練は、都道府県としては全国初となるLINEを活用した防災チャットボット※1 を利用した訓練となりました。
今回の実証実験では、本プラットフォームの研究開発成果の検証のみならず、今後の利活用の促進や可能性を広げることを目的に、国立研究開発法人防災科学技術研究所(略称:防災科研)が研究開発中の防災チャットボットとの連携検証を実施しました。

※1 防災チャットボット:第2期SIP「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」テーマI「避難・緊急活動支援統合システムの研究開発」(研究責任者:国立研究開発法人防災科学技術研究所 臼田裕一郎)における研究開発項目「対話型災害情報流通基盤の研究開発」(共同研究機関:株式会社ウェザーニューズ、国立研究開発法人情報通信研究機構)にて開発中のLINEベースのチャットボット

■日 時:2019年7月5日(金)9:00 - 11:30


■会 場:茨城県庁(水戸市笠原町978番6)


■訓練の内容:

  •  梅雨前線停滞下において発生した大型で非常に強い台風により発生した河川の氾濫をはじめとする風水害や土砂災害を想定して行われ、一般市民役の県下11市担当者が県災害対策本部以外の場所で実際にLINEを立ち上げ、防災チャットボットを通じた災害情報の投稿を実施しました。
     
  • 投稿された災害情報はEmergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)が有する自然言語処理によって解析され、災害対策本部職員の対処訓練を通じて、解析結果の有用性や実災害時での活用可能性を評価しました。

    (1)令和元年度茨城県風水害対応訓練は、午前8時30分に災害警戒本部を設置、災害対策本部事務局員のうち総括班・情報班及び対策班の要員は災害対策室に参集が完了した状態で午前9時より行われました。茨城県は、災害に関する情報収集・伝達・分析、応急災害対策の検討、関係機関等との連絡調整のため、災害警戒本部を設置し、災害対策本部事務局員のうち総括班・情報班及び対策班の各班員を参集しました。

    (2)参集された総括班、情報班及び対策班の各班員は、当該時点までの気象・河川情報、交通機関、市町村及び関係機関等の状況について確認済みである前提で、特に情報班では防災チャットボットを通じて投稿された災害情報や他のSNS経由の情報の中からEmergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)を活用して重要度の高い情報を抽出・把握し、市町村に情報の真偽を確認する作業や対策班と情報共有する作業などを行いました。

■訓練の概要:

訓練の概要

■訓練の様子:

(左:災害対策本部モニターにEmergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)が掲出された様子、右:茨城県職員が高度自然言語処理プラットフォームを操作している様子)

 

訓練の様子 訓練の様子

■訓練で使用されたEmergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)画面

■訓練で使用された高度自然言語処理プラットフォーム画面

■訓練で使用された第2期SIP事業で防災科研等が研究開発中の防災チャットボット画面:

訓練で使用された第2期SIP事業で防災科研等が研究開発中の防災チャットボット画面

■Emergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)について:

  • アビームコンサルティング株式会社は、2017年度~2019年度にかけて、総務省の委託事業である「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム社会実装推進事業 課題I 最先端の自然言語処理技術を活用したEmergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)の研究開発」を受託し、学校法人産業医科大学、国立大学法人東北大学東北大学病院、国立研究開発法人防災科学技術研究所と連携し、災害医療、保健・衛生、社会インフラ・防災、警備・セキュリティの4分野を対象に、SNSや地方自治体、関係機関等が保有する自然言語情報の処理と異分野間での連携・利活用を促進するEmergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)の要件定義・設計開発・実証評価・試験運用を進めています。
     
  • 本研究開発では、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のこれまでの研究開発成果(DISAANA/D-SUMM)を活用しながら、平時及び緊急事態(大規模事故、大規模火災、群衆事故、大規模感染症、災害等)発生時における国民の安全・安心の確保に役立てることを目的として、様々な利用者(例:各府省庁、自治体、消防・警察、民間企業等)に有益な情報を提供することができるプラットフォームを目指しております。
     
  • なお、2020年度からの事業化を想定しており、事業化に至るまでの実効性・具体性を考慮した適切な取組計画を策定し、研究開発を推進しています。
     
  • Emergrid(高度自然言語処理プラットフォーム)公開動画
    https://youtu.be/wB19QxiBAeQ
https://youtu.be/wB19QxiBAeQ
  • ※ アビーム、ABeam及びそのロゴは、アビームコンサルティング株式会社の日本その他の国における登録商標です。

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本件に関するお問い合わせ

アビームコンサルティング株式会社
経営企画グループ コーポレート・コミュニケーションユニット
シニアマネージャー 樺澤わかな、千住英里
TEL:03-6700-8227、080-2003-1833  FAX: 03-6700-8145
E-mail: wkabasawa@abeam.com, esenju@abeam.com

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