ヘルスケアは、多くの企業にとって有望な成長領域と捉えられている。しかし、一方で、現場の医療提供体制は、社会保障費の増大、地域医療の経営逼迫、医療人材不足、制度・テクノロジーの過渡期といった様々な課題に直面している。こうした状況下で、「医療の現場」と「ビジネスの論理」をどう結び付け、「次の一手」を描くのかが問われている。
ヘルスケア領域に関心を持つ異業種の経営層からは、「医療や健康が今後の成長領域であることは理解しているが、何から始めればよいのか分からない」「医療機関との連携や規制対応を考えると、最初の一歩が踏み出せない」との声が聞かれる。
一方、すでに医療・ヘルスケア領域に関わる企業の経営層からは、「これまでと同じやり方では、次の成長ストーリーを描けない」「現場の実態を踏まえた新しいビジネスモデルを、一緒に考えてくれるパートナーがほしい」という本音も聞こえてくるのが現状だ。
こうした現実を前に、異業種・既存プレイヤーの双方が、医療現場と連携も含めた現実的な一歩を模索している。
本稿では、現役医師・医学博士であり株式会社BizMed Consulting代表取締役の安田英俊氏と、アビームコンサルティングのヘルスケアチームを率いるダイレクター鈴木将史が、日本のヘルスケアビジネスの現在地と、異業種参入の“最初の一歩”をどう設計すべきかを語る。途中からは、アビームコンサルティングの医療DXの専門コンサルタントである古道義隆、石間正俊の両名も加わり、ヘルスケアビジネスに不可欠なデジタル戦略をビジネス現場の合意形成にどう活かしていくかを議論していく。