資本市場から資本効率を重視した経営が要請される現代の企業経営において、ROIC(投下資本利益率)は重要な指標となっている。
一方で、ROIC経営の浸透は容易ではない。ROIC経営を推進するには、ポートフォリオ管理に留まらず、業績管理の仕組みを構築する必要がある。特に、事業部が強く、コーポレート部門が弱い企業文化の会社においては、ROICと連動した業績管理の仕組みを現場まで浸透させることは難易度の高い取り組みとなる。
本インサイトでは、ROIC経営を主導する経営企画部などのコーポレート部門向けに、ROIC経営の浸透を阻む部門間の壁に対し、コーポレート・現場が共に解決する道筋を前後編の2回に分けて紹介する。
前編となる今回は、主にコーポレート部門と事業部門の連動観点での課題及び対応の方向性について紹介する。後編では、サプライチェーンマネジメント視点からのアプローチについて紹介する。