クライアントの現場を知らずにクライアントの
イノベーションを実現できない ―

長年培った企業の現場の深い理解と、サプライチェーンマネジメント(SCM)の専門性を有し、物流のDXを担うマネージャーにインタビューしました。

 

K.O

Why ABeam ?

K.O

2008年に中途採用でアビームに入社しました。前職はメーカー系SIerで、基幹システムの入れ替えを中心に担当していました。元々、テクノロジーを活用した企業の課題解決に興味があった一方、実務上はシステムありきで進めるプロジェクトが多かったことが、転職活動を始めた理由でした。アビームに入社した決め手は、面接官の人柄です。個人的な印象ですが、コンサルティングファームには成果主義でドライなイメージを抱いていたのですが、面接を進める中でそのような印象が払拭されたのがアビームでした。

入社後、良い意味で意外だった点は、社員同士の面識がなくても連携し、助けあい高め合う組織や文化があることです。その背景には、確固とした顧客提供価値へのこだわりがあります。例えば、社内のナレッジマネジメント組織を通じて、担当案件に関連する案件の担当社員を紹介してもらうなど、個の知見を会社全体の知見として昇華させ、クライアントへのサービス向上及び目指す姿の実現にコミットしています。

Experiences in ABeam ~ Impressive Project~

最も印象深いプロジェクトは、大手食品メーカーの物流コスト削減プロジェクトです。クライアントは、数年前から物流管理を子会社に任せていましたが、物流コストの上昇が続き、利益が圧迫されていました。そこで、物流コストの妥当性の判断とコスト改善に繋がる物流オペレーションやマネジメントの在り方を提示するために、調査および施策立案を進めました。
まず、調査フェーズで特に追求した点は、仮説の精度向上です。通常、データ分析や現場のヒアリングから得た情報を基に仮説を立案しますが、今回は短期間でより効率的かつ効果的に成果を出すために、特にクライアントの現場の声を重視した仮説立案を実施しました。同じサプライチェーンマネジメント(SCM)領域のプロジェクトにおいても、クライアントや状況によって課題や解決策は様々です。アビームのSCM領域の知見やノウハウを活用しながら、目の前のクライアントの状況を紐解き、理解することで、ファクトに基づいた課題解決や説得力のある提案が可能になります。
このプロジェクトでは、営業部門、生産部門、全国数カ所にある物流センターの部門長や現場社員、物流子会社、クライアントのプロジェクトチームといった、関係者全員にヒアリングを実施しました。ヒアリングにより、物流部門は営業部門からの依頼に応じるために納期重視で対応している、営業部門は受注獲得のためにタイトな納期を希望する顧客から受注しているなど、各部門が抱える問題意識を一つひとつ吸い上げ、整理しました。
こうしてヒアリングで得た現場の声を中心に仮説を立て、調査を基に仮説を検証し、物流コスト改善のための具体的な施策を提言しました。物流コストは複数部門の活動の積み重ねの側面があるため、物流コストに対する責任の所在が不明確になり、物流コストのコントロールやマネジメントが困難になっていました。そこで、コスト構造を分析し、特定のプロセスで発生したコストを発生元の部門に還元するオペレーションとマネジメントを提案しました。また、仮説立案の段階から現場の社員と議論を重ねたことは、自社の物流とSCMの非効率性や、マネジメント手法の問題点への気付きを与え、今後取り組むべきことへの理解促進にも繋がりました。

現場が抱える課題や制約は、無意識に当たり前のことと捉えられ、改善対象から外されることや、部門や立場の違いから意識や目的理解が異なり全体最適にならないことなど、組織の中からでは気付きにくい問題が点在しています。このプロジェクトでは、そうした問題をニュートラルに捉え、現場の声を紐解き、上流の問題や事象に結び付けながら課題や解決策を提示するという、コンサルタントの価値の体現に資する活動ができました。

Future ~Growth Story~

K.O

今後一層本格化する企業のデジタル化において、物流やSCM領域では非接触・非対面化が加速しています。そうした社会の変化や時代のニーズに応えるべく、自動化による物流体制の構築など、企業毎に必要なデジタル化のテーマ策定とその実現に貢献したいです。
また、アビームの強みの一つは圧倒的な顧客理解力だと思います。

私の所属部門では、企業変革のビッグピクチャーを描くだけでなく、実用性の高いSCM領域のサービス創出に取り組んでいます。その取り組みではまず、製造業界のリーディングカンパニーの現場を数多く見学し、設備、業務、社員の声など、企業の現場の理解深耕に重点を置いています。クライアントの現場を知らずにクライアントのイノベーションを実現できないからです。長年培った企業の現場の理解と、アビームの有する各業界及びデジタルに特化した人材や知見を組み合わせ、物流のデジタル改革をリードしてきたいです。

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