DXは既存のビジネスモデルからの変革を伴う取り組みであり、時に変革に対する不安などから、新しい取り組みに積極的に着手できない状態に陥ることがある。このような状況を放置すると変革への適応に時間を要し、改革が失敗に終わるリスクが高まるため、チェンジマネジメントによって積極的に変革をサポートすることが重要となる。
DXは既存のビジネスモデルからの変革を伴う取り組みであり、時に変革に対する不安などから、新しい取り組みに積極的に着手できない状態に陥ることがある。このような状況を放置すると変革への適応に時間を要し、改革が失敗に終わるリスクが高まるため、チェンジマネジメントによって積極的に変革をサポートすることが重要となる。
チェンジマネジメントには、8つの実践ポイントが存在する。これらのポイントを実践することでチェンジカーブの底上げが可能となり、より早期での変革の実現につながる。
① 変革推進のコアチームを組成する
まず、変革を進めるコアチームを経営レベルで組成することが必要となる。リーダーシップチームとして一枚岩になり、変革に向けた強いコミットメントを示すことが重要となる。
② 目指すところを明確化する
コアチームではビジョン策定などを通じてコアメンバーで議論を尽くしていくこととなるが、取り組みのゴールを明確化していくことが必要となる。様々な議論を巻き起こす上でも、あるべき姿を提示することが求められる。
③ 一般社員層の興味を引き出す
目指すところを踏まえて、現時点の課題について一般社員層を含めて耳を傾け、要望を実践していくことが重要となる。コミットメントを実際のアクションとして示すことで建設的な姿勢を引き出すことが狙いとなる。
④ 外部からの目線を導入する
既存メンバーだけでは変革への動機づけが不足することも多いため、中途採用者など、外部からの目線を取り入れることが重要となる。ただし、少人数で埋もれないよう、存在感を出せる一定規模レベルまで、外部からの人材を取り込んでいくことが必要となる。
⑤ KPIとの連動を強化する
目標をKPIとして設定するだけでなく、報酬・評価との連動を明確化することも必要となる。例えば、経営層から業績連動の報酬体系に移行するなど、上位層から取り組みを開始し、徐々に全体に広げていくアプローチが想定される。
⑥ 自律的成長を支える制度へ刷新する
変革を従業員が自分ごととして受け入れるためには、DXなどを踏まえた新しい事業環境に適応するために自らのキャリアを自律的に構築していくことが必要となる。受け身ではなく、自発的な取り組みをサポートする仕組みを提供することが重要となる。
⑦ 変革の度合いを計測する
上記のような取り組みの成果として、従業員による企業に対する帰属意識や一体感を計測して現在地を把握することが欠かせない。定量的なスコアを目標として設定することが、進捗を把握しモチベーション維持に役立てる。
⑧ 専門性・独立性が高い人事・経理部門を変革する
人事・経理部門は管理部門のなかでも特に重要な役割を担うが、専門部署としての独立性が強く出るケースも多い。そのため、より事業への貢献を意識し、自らが変革していくことが求められる。ミッション再定義や組織再編なども視野に入れた取り組みが期待される。
チェンジマネジメントの取り組みは数年単位での中長期の時間軸でアプローチを検討する必要がある。そのため、個々のポイントを自社の状況に即して組み合わせていくこととなる。上記のような実践ポイントの観点から自社の変革アプローチを点検することによって、次のアクションの参考にしていただけるのではないだろうか。
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