大企業における最初の100日で直面するイベントは、マネジメント層への報告・上申であることが多い。新規事業テーマが決定した後、新規事業の構想から設計・開発フェーズへ移行する際の最初の意思決定タイミングである。
この段階で評価されるのは概ね以下の3点である。
- 課題は実在するか。
- 課題解決に関する市場は大きいか、成長するか。
- その課題解決は自社が担うべきか、独自性を盛り込めるか。
したがって、最初の100日で必要なのは、解くべき課題の抽出、事業性の見極め、競争優位の構築である。
創業チームの編成としては2010年代のシリコンバレーでは「3H(ハッカー(開発者)、ハスラー(ビジネス担当)、ヒップスター(デザイン担当))が有名だが、スティーブン・S・ホフマン著「シリコンバレー式 最高のイノベーション」ではさらに「ホットショット(専門家)」、さらに大企業では「政治家(リソースを確保し部門間調整に長けた人材)」と「オーガナイザー(プロジェクトを管理し経費を管理する人材)」の2タイプの人材が必要としている。
日本の大企業でのポイントとしては、海外にみられるようなジョブスクリプション(職務内容・責任範囲・成果基準を明確に定義した職務記述書)で人材が雇用されている訳ではなく、各機能型組織に人材が属するため、どのような人材をどこから集めるのかが現実的な打ち手となる。
我々の知見では、初期に必要な機能は以下の通りである(1人が複数役割を担うケースもある)。
- 顧客を理解している人(リサーチ機能)
- 事業に仕立てられる人(プロダクト・サービス開発機能)
- 顧客を見つけられる人(セールス・マーケティング機能)
- 数字を作れる人(プランニング・ストラテジー機能)
当社が実施した調査によると、顧客を理解している既存事業周辺領域ではアンケートなどによる「ニーズの定量化」(図2)が有効である。一方、顧客課題が特定できていない新規領域ではインタビューを通じて課題やその背景を把握し、「機会の具体化」を精査することが有益であることが明らかになっている。(図3)