クリエイティブ業界、特に筆者が担当しているマスメディアを中心とした領域では、長年にわたり、職人芸や属人的な判断に依存した業務運営が主流となっている。企画・制作・編集・発信のプロセスにおいては、個人の経験や勘に支えられ、暗黙知が組織の中核を成してきた。
ところが、クリエイティブ業界においても、デジタル技術の進展、消費者行動の変化、広告収益モデルの転換など、構造的な変化が急速に進行しており、従来の業務構造では持続的な競争優位を築くことが困難になってきていると言える。また、従来の業務プロセスは紙媒体や放送中心の時代に最適化されたものであり、現代のマルチチャネル・即時性・パーソナライズドな情報流通、AI・デジタル技術の活用、グローバル対応などに完全には対応しきれていないのが現状である。
このような背景において、業務の可視化・標準化・最適化を通じて、組織全体の生産性と創造性を両立させるBPR(Business Process Re-engineering)は単なる業務改善ではなく、業務の目的・構造・手段を根本から見直す「抜本的な変革手法」として再注目されている。特に、クリエイティブ業界のような属人性が高く、プロジェクト単位で動く非定型的な業務構造においては、BPRの導入難易度が高い一方で、成功すれば劇的な成果をもたらす可能性がある。