前回のインサイト(第2回)においては、実際に金融機関の開示資料から開示対応の進捗度合いを調査し、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース、以下TNFD)に関しては、海外も含めて金融機関の大半がほとんど開示していない状況であることが把握できた。さらに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース、以下TCFD)においては一部地域金融機関を中心に対応が進んでいないところも見受けられた。
そこで今回はTCFDやTNFDだけでなく、今後金融当局による気候変動ストレステスト実施可能性や、現状ではあまり意識されていない算出結果に関する精度(正確性)・粒度(網羅性)も考慮しつつ、具体的な開示対応に必要となる作業的見地から整理する。