製品から企業全体までのGHG排出量を一貫して可視化・管理、サステナビリティ経営を支える基盤構築支援

ソリューション

製品別CFP(カーボンフットプリント)の算定と、サプライチェーン全体を繋ぐサステナビリティデータプラットフォームの構築を支援

企業活動に伴うGHG(温室効果ガス)排出量の算定・管理には、製品・拠点・サプライチェーン全体にわたる精緻な情報の把握が必要です。これにはERPなどの基幹システムを活用し、上流から下流まで一貫してデータ連携・活用できる仕組みが不可欠です。
アビームコンサルティングは単なる情報開示支援にとどまらず、サステナビリティ対応を通じて、製品競争力・企業価値の向上に貢献します。
サプライチェーン全体で排出量データの収集・共有を可能にする仕組みの導入を支援し、取引先との連携を強化。透明性の高い情報基盤を構築します。

背景

規制強化と脱炭素社会に向けた変革要請が国内外ともに強まっている

ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)やCSRD(企業サステナビリティ報告指令)など、国際的なサステナビリティ開示基準の整備が急速に進展しており、日本国内でも段階的な開示義務化が始まっています。これにより、企業にはScope1・Scope2に加え、Scope3を含めた排出量の網羅的な算定と開示が求められるようになっています。
しかし、従来の手作業や推計ベースの算定では、精度や信頼性の確保が難しく、さらにサプライヤーごとに異なる形式で情報が提供されることが、サプライチェーン全体の可視化を阻む大きな障壁となっています。
このような課題に対し、アビームコンサルティングは、サステナビリティソリューションの活用を通じて排出量の算定・共有を可能にする仕組み作りをサポートします。これにより、企業は規制対応にとどまらず、持続可能なバリューチェーンの構築や、サステナビリティへの取り組みを通じた企業価値の向上を実現することができます。

課題

サプライチェーン全体のGHG排出量を正確に把握・管理し、商品の環境性能と企業価値を向上させる仕組みが求められている

問題点

  1. CFP算定はExcelやメールでの手作業に依存し、集計に手間がかかる上、ヒューマンエラーの可能性があり、算定結果の正確さの担保も難しい。作業内容が担当者に属人化し、標準化や効率化が進まない状況にある。
  2. 特にScope3を含むサプライチェーン全体の排出量を統合的に把握する仕組みが不足しており、全体最適の検討や削減施策の立案が困難となっている。
  3. CFP算定は多くの工程を要するため、数値の根拠や算定方法の明示、図表の作成など、報告書の構成に時間がかかる。また、レポート修正対応の手間も大きく、数値に変動があるたびに大幅な修正が必要となる。

アプローチ

近年、製品の環境性能やサステナビリティ情報は、投資判断やサプライヤー選定において重視され、製品単位での排出量開示の重要性が高まっています。企業には、環境情報を定量的に示すことで、環境配慮型商品の訴求力やブランド価値の向上が求められています。
排出量を正確に管理するには、ERPなどの実績データと、電力使用量・物流・原材料の排出係数などの外部データを連携し、Scope1〜3を網羅的かつ高精度に把握する仕組みが必要です。
サプライチェーン全体で排出量データを円滑に交換できる環境を整えることで、取引先との透明性を確保し、削減目標の共有と協働が可能になります。これは、規制対応やグローバル競争力の維持にも直結します。
アビームコンサルティングは、業界特性に応じた要件定義からシステム設計、開示プロセスまでを一貫して支援し、排出量管理の高度化とCO₂削減施策の実行を促進。持続可能な経営と企業価値向上に貢献します。

特長

  • 基幹システムの取引データを直接活用し、信頼性の高い排出量算定を実現

    ERPなどの基幹システムに蓄積された商品データや、取引・会計・購買などのデータを直接活用することで、手入力や推計に頼らず、高い信頼性を持つ排出量算定を実現することが可能です。

  • 自社活動からサプライチェーン全体までスムーズかつ包括的に排出量を把握可能

    自社の事業活動に加え、Scope3を含む排出量を網羅的に把握し、削減余地や改善領域を特定できます。さらに、サプライヤーからの排出量データを効率的に収集・交換する仕組みを導入することで、迅速かつ高精度な比較・分析が可能となり、サプライチェーン全体の透明性と削減施策の実行力が向上します。

  • 排出量レポート作成をスピーディに実現

    シンプルな作業手順のみで排出量レポートを迅速に作成することができるため、企業内での政策検討はもちろん、監査対応や投資家への説明責任を効率的に果たすことが可能です。さまざまなダッシュボードを通じて、拠点・製品・工程単位でのスマートな比較分析が可能となり、戦略的な意思決定を支援します。

基幹システムの実績データを活用した高精度な排出量算定の実現

購買・生産などの基幹システムに蓄積された実績データを直接活用することで、従来の手作業や推計に依存せず、信頼性・正確性の高い温室効果ガス排出量の算定を可能にします。これにより、監査対応や外部開示に耐えうる精度を確保し、環境配慮型製品の訴求や企業のESG評価向上にも活用できます。
アビームコンサルティングは、SAP® Sustainability Footprint Management、SAP® Sustainability Data Exchange、booost Sustainabilityをはじめとしたサステナビリティ関連システムを導入および、基幹システムとの連携を支援します。さらに、他システムとのインターフェースについても設計・開発を行い、必要なデータをより効率的かつ柔軟に取得できる環境を構築。これにより、現場業務と排出量管理をシームレスに統合し、企業全体でのサステナビリティ対応力を強化します。
さらに、算定された排出量データを製品・サービスの環境価値として明示することで、顧客や投資家との信頼構築にも貢献します。

自社からサプライチェーン全体までを対象とした排出量の包括的把握と連携基盤の構築

自社の直接排出(Scope1・2)に加え、調達・物流・製品使用・廃棄などを含むサプライチェーン全体の排出量(Scope3)を網羅的に算定・管理することで、製品ライフサイクル全体のカーボンフットプリントを包括的に把握し、環境性能の高い商品設計や改善施策の立案が可能になります。特に製造業では、部品・素材単位での排出量管理が、製品の環境価値を高める上で重要な要素です。
また、取引先との間で排出量データを効率的に収集・交換できる仕組みを導入することで、情報収集・統合の手間を削減し、サプライチェーン全体での透明性と信頼性を向上させます。
アビームコンサルティングは、排出量モデルの設計から、社内外ステークホルダーへの説明・トレーニング、データ交換ルールの策定までを支援。業界・地域を問わず持続可能な仕組みづくりを実現し、商品レベルでの環境性能向上を通じて、ESG評価や市場競争力の強化に貢献します。

排出量レポート作成をスピーディに実現

アビームコンサルティングが導入支援するサステナビリティソリューションでは、排出量データの収集・整理からレポート作成までを一元管理できる環境を提供します。ユーザーは、ダッシュボード上で排出量の推移や部門別の内訳をリアルタイムに確認でき、直感的な操作のみでスピーディにレポートを作成することが可能です。これにより、従来は時間と工数を要していた開示資料の作成を大幅に効率化し、経営層や投資家へのタイムリーかつ信頼性の高い情報提供を実現します。
さらに、各企業の業界特性や既存のサステナビリティ活動を踏まえたレポーティングフレームの設計を行い、排出量データを経営管理に活用する体制の構築を支援。環境性能を経営指標として活用することで、意思決定の質を高めるとともに、製品・サービスの環境価値を明確に示す情報発信が可能になります。
報告要件の変化や制度改正にも柔軟に対応できる持続的な仕組みを整備することで、サステナビリティ対応を戦略的な情報開示へとつなげ、企業の信頼性と価値向上を継続的に後押しします。

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