新事業創出に向けた組織・戦略の具体化を通じ、日立建機の「ソリューションプロバイダー」への進化を推進

日立建機株式会社
事例
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  • 新規事業開発
日立建機株式会社

日立建機株式会社(以下、日立建機)は、「ソリューションプロバイダー」への進化を掲げ、2022年4月に部署横断の「新事業創生ユニット」を設立し、新事業創出およびオープンイノベーションの取り組みを推進してきた。
ユニットのさらなる機能・活動強化に向け、2025年3月よりアビームコンサルティングが組織像・戦略の設計を支援。2026年度の中期経営計画のコンセプトであり、2027年4月より適用予定の新社名「LANDCROS(ランドクロス)」に込めた思想を踏まえ、パートナー連携を軸とした新事業創出の方針と、それを実現する組織像・活動内容を具体化した。
本取り組みにより、新事業創出体制の強化と活動の加速に加え、社内外に向けたブランディング強化を推進している。

経営/事業上の課題

  • 「革新的ソリューションの提供」を経営アジェンダに掲げる中で、その実現に向けた戦略をより具体化する必要があった
  • 「Open」の考え方を重視する一方で、パートナー連携を前提とした新事業創出の具体的な進め方が明確化されていなかった
  • 新事業創生ユニットは外部連携推進を担う一方で、役割定義や活動方針が十分に具体化されておらず、推進力強化が求められていた

課題解決に向けたアビームの支援概要

  • 新規事業創出支援の知見を活用し、1か月弱で新事業創出に向けた組織像および戦略を具体化
  • 日立建機の想いと独自視点を踏まえた対話を通じ、パートナー連携を前提とした実効性のある推進枠組みを策定
  • 当該検討を起点に、オープンイノベーション推進に向けた対外発信および連携施策の企画・推進を支援

支援の成果

  • 新事業創出の枠組みを整理したことで、経営層と活動の意義・重点テーマに関する共通認識を醸成
  • パートナー連携を前提とした新事業創出方針の対外発信を通じ、社内外における認知向上と理解促進を実現
  • 整理内容を基に新事業創出活動が加速し、複数の新事業検討を推進中

クライアント課題の難所

「ソリューションプロバイダー」への進化という経営アジェンダの具体化と、新事業創生ユニットに求められる役割の明確化

日立建機は、強みであるハードとしてのモノづくりに加え、新たなテクノロジーを活用した“コトづくり”にも挑戦し、変化するお客さまの事業課題に柔軟かつ迅速に対応する「ソリューションプロバイダー」への進化を経営アジェンダとして掲げている。

新コーポレートブランドであり2027年4月1日より適用予定の新社名でもある「LANDCROS」(ビジョンを示す 「LAND」と「Customer」「Reliable」「Open」「Solutions」を掛け合わせた概念)のもと、「Open」の考え方を重視し、世界中のパートナーと連携することで、製品・技術・人財・アイデアを融合しながら課題解決に貢献することを志向している。
その中で、2022年4月に新設された部署横断の「新事業創生ユニット」は、外部連携を主に担う組織として新事業創出を推進してきた。これまでの取り組みにより一定の成果は見られたものの、新事業立ち上げやトレンドテーマへの対応におけるスピード、将来の事業機会を探索するための機能・活動の不足、加えて社内外におけるユニットの認知不足といった課題を抱えていた。
これらの課題を踏まえ、新事業創出をさらに加速させるためには、2026年度開始の中期経営計画を見据え、同ユニットが担う役割や強化すべき活動・施策を整理・具体化することが求められていた。

そこで日立建機は、新事業創出支援の実績に加え、幅広い業界・業態でオープンイノベーションに関わるプレーヤーとの対話を通じて知見を蓄積し、特定のフレームワークに依らず柔軟かつスピーディーな議論・整理・可視化が可能である点を評価し、アビームコンサルティングをディスカッションパートナーとして選定。
複数回にわたる議論を通じて方向性を整理したうえで、2025年3月より、アビームコンサルティングの支援のもと、組織像・戦略・活動方針の具体化から、対外発信や新事業開発の推進に至るまでの取り組みを進めている。

新社名「LANDCROS」に込めた想い

プロジェクトの重要成功要因

新事業創出に関する「財産」の融合と、計画から実行まで一貫した推進

本プロジェクトの成功要因は、特定のフレームワークに依拠するのではなく、日立建機およびアビームコンサルティングがそれぞれ蓄積してきた新事業創出に関する知見やネットワークといった「財産」を活用・融合し、計画から実行までの一連の活動を一貫して推進した点にある。主な要因は以下の3点である。

1.「財産」の活用・融合による実効性の高い検討
本検討においては、日立建機の現状戦略や意向に寄り添いながら、他社事例も踏まえ、実効性のある組織像の具体化を推進した。
新事業創出のチャレンジを通じて蓄積されたトレンドや成功・失敗事例、そこから得られる示唆などの「財産」を活用・融合することで、より実効性の高い内容の取りまとめを実現した。アビームコンサルティングは、こうした知見の体系化と議論への適用を通じ、1か月弱という限られた期間においても、質とスピードを両立した検討の推進を支援した。

2.暗黙知の可視化による共通基盤の整備
新事業創出に関する考え方や取り組み領域、人材要件、必要な活動・KPIなどが体系的に整理されておらず、関係者の中で暗黙的に共有されている状態であった。
本支援を通じてこれらを「形式知」として可視化したことで、経営層および関係者間の共通認識を醸成するとともに、対外発信に向けた基盤を整備した。

3.検討内容の実行フェーズへの接続
整理した方針および活動計画に基づき、新事業創出に向けた具体的なアクションを開始。施策の一つとして、オープンイノベーションに関わる国内外の様々なプレーヤーを対象としたイベントを実施し、日立建機の取り組みや方向性を対外的に発信。これにより、同社の考え方に対する理解・共感の醸成と、新たなパートナー連携の創出につなげた。

アビームの貢献

新事業創出の加速に向け、共通認識の醸成と実行への展開を支援

本プロジェクトにおけるアビームコンサルティングの貢献は、以下の3点に集約される。

1.新事業創出に関する共通認識醸成への貢献
日立建機ならではの新事業創出の枠組みを整理・可視化したことで、経営層と新事業創出活動に関する具体的な議論を行うための基盤を整備した。
その結果、活動の意義や取り組むべきテーマに関する共通認識を醸成し、新たな中期経営計画の検討に向けた議論の起点を形成した。

2.「Open」に関する活動推進への貢献
施策の一つとして、オープンイノベーションに関わる国内外の多様なプレーヤーを対象としたイベントを実施し、本プロジェクトで整理した内容を基に、日立建機の目指す方向性や取り組みを対外的に発信した。
これにより、社外ステークホルダーにおける認知向上および理解促進を図るとともに、外部連携に向けた関係構築の契機を創出した。
また、外部連携において「選ばれる」企業となるために必要な「Open」であることの重要性について、経営層との認識を改めて共有した。

3.新事業創出活動の加速への貢献
本プロジェクトで整理した方針および活動計画を基に、2025年度後半より新事業創出活動を加速。
既存事業とは異なる新たな領域も含め、複数の新事業アイデアを創出し、事業化に向けた検討を推進している。これらの取り組みの一部については、アビームコンサルティングが継続して支援している。

今後もアビームコンサルティングは、本プロジェクトで整理した方針・活動計画を起点に、新事業の創出から事業化に至るまでの実行フェーズに伴走し、成果創出に貢献していく。


出会ってから数ヶ月、様々な課題を共有してスタートしたこのプロジェクトは、日立建機が新たに「ランドクロス」へと生まれ変わることも見据え、ソリューションプロバイダーとして新規領域のビジネスを構築するための方針を整理する上で、極めて重要な取り組みでした。
本プロジェクトで設定した、建設機械OEMとしての新たな事業領域の分類スキームは、結果として経営幹部との「共通言語」となり、昨年度に策定した我々の部門の中期経営計画の基盤となる考え方となりました。
今後も、我々の新たな挑戦を支えてくださる心強いパートナーとして、引き続き並走していただけることを期待しております。

新事業創生ユニット
ユニット長
山田雅弘

新事業創生ユニット ユニット長 山田雅弘

本支援のきっかけはあるオープンイノベーションイベントでの知人からの紹介でした。思い起こせば「イノベーションで企業価値をどう高めるか」が最初のお題でしたが、イノベーションに向き合う姿勢が似ていたこともあり、次々にお題が広がりました。組織体制、スタートアップ連携、仲間づくり、海洋都市構想に至るまで斬新な発想が飛び交いました。その過程で意気投合し、イノベーションイベントを共催することになり、イノベーション界隈でご活躍の様々な方々にお越し頂けたのも楽しかったですね。これまでお付き合いしてきたコンサル会社と、だいぶ違う付き合い方になりました。共に議論してきたことが今後、成果として花咲くことを期待しています。

新事業創生ユニット
ビジネス開発室長
森脇健一

新事業創生ユニット ビジネス開発室長 森脇健一

Customer Profile

会社名
日立建機株式会社
所在地
東京都台東区東上野二丁目16番1号
設立
1970年10月1日
事業内容
建設機械・運搬機械及び環境関連製品等の製造・販売・レンタル・アフターサービス
資本金
815億7千7百万円
日立建機株式会社

2026年7月3日

専門コンサルタント

  • 吉田 知広

    NewTech Adviser

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