NECグループでは、2026年7月の法定雇用率2.7%への引き上げおよびその先の3.0~3.1%時代を見据え、精神・発達障がいのある方の採用拡大やAI時代に対応した職域の再設計、受入・定着を支える専門的支援体制の構築が急務となっていた。しかし、これらの対応は採用・業務設計・人材マネジメント・現場運用といった複数領域にまたがるため、従来のグループ各社単位での分散的な取り組みでは、全体最適を前提とした戦略的な推進が困難な状況にあった。
特に、職域開発と定着支援は個社最適では成立せず、グループ横断での業務再設計やリソース配分、専門人材の集約的な活用が求められる一方で、各社の事業特性や人員構成の違いにより、統一的な方針の策定と現場実装の両立が大きな難所となっていた。
このため、障がい者雇用を単なる法令対応ではなく、グループ全体の経営アジェンダとして再定義し、特例子会社NFSを中核としたガバナンスのもと、方針策定から職域開発、定着支援に至るまでを一体で設計・推進する構想が求められた。しかし、外部環境の変化とグループ内の多様な実態が複雑に絡み合う中で、課題の構造化および関係者間の合意形成は極めて難易度の高いテーマであった。
こうした背景のもと、アビームコンサルティングには、複雑な課題構造の可視化と論点整理に加え、主要ステークホルダーが参画するステアリングコミッティのファシリテーションを通じて意思決定を支援し、実行可能なロードマップの策定まで一貫して伴走することが期待され、2025年10月より支援を開始した。