2017年7月に1次導入が終わった後、静岡鉄道では2次導入、3次導入に取りかかり、2019年半ばに導入を完了。グループ全体の会計業務と給与計算業務を行うシェアードサービスセンターの運用が始まった。「アビームコンサルティングの尽力で、1次導入の際に事業や業務内容を踏まえて、2次、3次も見据えた標準業務フローを作成していました。2次、3次導入では、それを基に発展させていけばよかったので、ほぼ計画通り進めることができました。私たちだけで導入しましたが、アビームコンサルティングが一緒にサポートしてくれているような心強い気持ちで実施することができました」(小田氏)。
業務の効率化は、計画では2021年度に業務量20%削減を目標にしていたが、それよりも2年早い2019年度で20%削減を達成することができた。「業務ごとの時間を計り、一番時間が掛かっていた業務から優先順位をつけて業務量の削減に取り組んできました。業務フローの簡略化やBPOの活用など様々な施策も併せて実施し、前倒しで目標を達成できたのは大きな成果です。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた第一歩といえるでしょう」と静岡鉄道 主計部 部長 加藤秀典氏は語る。
業務量の削減目標を達成した静岡鉄道では、現在シェアードサービスのもう1つの目的である業務品質の向上への取り組みを進めている。様々な人たちが業務を担い、グループ各社の事業内容が異なることから、業務も求められるものが異なる。それをできるだけ標準化し、業務品質の向上を図っていくことが重要になる。デジタル技術を活用すれば、さらに生産性が向上し、業務の品質向上にもつながるはずだ。シェアードサービスの運用開始でワークフロー改革のスタートラインに立った静鉄グループは、デジタル技術の可能性も含め、業務の品質向上に向けた取り組みを加速させていく考えだ。